水戸市芸術祭、「スクリーンの仲間たち」

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水戸芸術館で毎年開催されている水戸市芸術祭美術展覧会を見てきました。水戸市民によるアマチュアの展示会なので普段は見に行かないのですが、今回はインスタレーションの作品に興味深いものがあるというので見てきました。
展示室の白い壁を少し削って、中に隠れている塗装が見えるようにしているのですが、それが地層のようにも見えます。これまでに20年以上もの歴史を重ねてきた展示会が一瞬でよみがえるような感覚に襲われました。
 
芸術館のエントランスでは、「水戸の梅まつり 第70回 大撮影会と写真コンテスト」入賞作品展も行われていました。このコンテストには僕も今年初めて応募してみたのですが、当然入賞するわけもなく、どういう作品が入賞するのだろうという視点で見てみました。

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続いては常陽資料館へ。こちらでは「スクリーンの仲間たち」というタイトルで、水戸市在住の映画看板絵師の大下武夫さんの作品展が開催されていました。昔水戸にもたくさんあった映画館には手書きの大きな看板が掲げられていました。映画の宣伝用の作品のほか、俳優のポートレート風の作品もありました。映画看板の作品は写真で再現しているものが多かったのですが、看板そのものは使い捨てだったんでしょうから仕方がないのでしょう。でも一点だけ、「トラック野郎」の作品は実際の看板のようでした。
 
 
美術巡りをした後はくろばねの長兵衛へ。ちょうど今週の「おんな酒場放浪記」でも再放送分で紹介されていたので、久しぶりに行ってみました。相変わらず気さくな店内の雰囲気に心が和みます。

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店内には吉田類さんと倉本康子さんのサインや写真が飾られていました。

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映画看板絵師の大下さんについては、下記で詳しく紹介されています。

mito.life

きっと、うまくいく

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シネポートシアター MITOの第16回上映会は「きっと、うまくいく」というタイトルのインド映画でした。
インド映画は何年も前に流行った「ムトゥ 踊るマハラジャ」しか見たことがないと思いますが、あの映画は1998年頃に日本で公開されたようです。
今回は、7月で惜しくも閉店してしまうイタリアンレストラン「ブラックバード」が行う自主上映活動「cinema blackbird project」としての上映会でもありました。
 
最近気持ち的にちょっと沈んでいる状態でしたが、楽観的なタイトルのこの映画を見れば気分も晴れるかと思い、見に行ってきました。
インド映画界だけでなく、ハリウッドの映画人の間でも有名らしい作品だそうです。基本はエリート大学で「3バカ」と呼ばれた3人組の学生の生活を、卒業した学生が振り返るというものでした。3時間近い上映でしたが、笑いあり、涙あり、途中からはミステリーも混じり、飽きることはありませんでした。
 
途中ではインド映画お約束の登場人物がスクリーン全体で踊るシーンもあったり、ヒロインもとても綺麗な女優さんで、なるほど娯楽要素満点の作品でした。
 
上映後は「ブラックバード」のアキさんによるミニトークもありました。シェフの沼田さんもいたので今更ながらご挨拶もしてきました。「ブラックバード」は今後はアキさんの実家の山形県に移転するそうなので、いつかは山形に行ってみたいと思います。

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沢野ひとし×木村晋介対談、高野秀行サイン会

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先週に引き続き本の雑誌展のイベントで町田のことばらんどへ。今回は沢野ひとしさんと木村晋介さんの対談です。
最初は木村さんの創作落語でした。木村さんの落語は以前にも新宿での雑魚釣り隊のイベントで聞いたことがありましたが、それ以来です。舞台は今から20年後の世界で、椎名誠さんがもう直ぐこの世を去るというときに、目黒孝二さん、沢野ひとしさん、木村晋介さんが病院に駆けつけて、、、という話でした。まくらが20分くらい、本題が10分くらいというお話でしたが、人生で大切なのは仕事、家族、友情の3つである、と話していました。僕自身で言えば、仕事はなんとか、友情にもまあ恵まれたでしょう。でも自分の家族はまだ持てないのでいます。まだまだだなあ。
 
落語の後は沢野さんと木村さんの対談になりました。お二人は中学時代の同級生で、高校のときに沢野さんが千葉に引っ越して椎名さんと出会い、木村さんと椎名さんを引き合わせたのが沢野さんでした。そして椎名さんに奥さんを紹介したのが木村さんです。そんな3人が今でも友達でいるのはとても素晴らしいことだと思います。
今日はそんなお二人が出会った頃の話が中心でしたが、ときどき思いついたように沢野さんがホワイトボードに字を書き始めます。書いている間に「晋ちゃん、何か話してよ」と沢野さんが言うので木村さんが一人で話していくのですが、沢野さんが書き終わると木村さんの話の途中で話題を急に変えるのがとても可笑しかったです。沢野さんは「本の雑誌」でも中国の話を連載していますが、中国に住みたいとか、それで中国語も習っているそうです。
 
最後は質問コーナーになりましたが、沢野さんに対して中国語で好きな言葉は?という質問には「车到山前必有路」と答えていました。これは、山の前に来れば道は必ずある、という中国のことわざ(?)だとか。道がないように見えても、行ってみればなんとかなるものだ、という意味なのかな?なんかいい言葉でした。
 
対談が終わった後はお二人のサイン会もありました。会場で売られていた本にそれぞれサインを書いていただきましたが、持参した「本の雑誌」創刊号〜10号の復刻版にもサインを書いていただきました。これは後で椎名さんと目黒さんにも書いてもらうのが夢です。
 
 
さて、今日はこれから松戸まで移動します。松戸では今度は高野秀行さんのサイン会があるのです。本の雑誌社から発行された「謎の独立国家ソマリランド」が集英社から文庫化されたのを記念するサイン会なのですが、そもそも僕が高野さんのことを知ったのも「本の雑誌」で椎名さんが絶賛していたのを読んだからです。そして本の雑誌社の営業の杉江さんも今日は同行しています。町田と松戸、なんとなく似た名前の街ですが、この二つの街は小田急線〜地下鉄千代田線〜常磐線が直通で繋がってもいます。そのルートで松戸に到着し、東口のペデストリアンデッキに直結する良文堂書店がサイン会の会場です。
 
僕は今回初めて行きましたが、この良文堂は高野さんの著書を揃えていて、高野ファンには聖地とも呼ばれているそうです。
到着した時にはすでにサイン会は始まっていて、僕も早速発売されたばかりの「謎の独立国家ソマリランド」の文庫本と、まだ読んでいない続編とも言える「恋するソマリア」の単行本を買って列に並びサインをしてもらいました。杉江さんとも先週以来ですが、今日はスーツ姿なのでキリッとしています。高野さんと少し話をさせてもらい、最後は3人で一緒に写真を撮ってもらいました。

横尾忠則 HANGA JUNGLE展

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町田には市立国際版画美術館があり、横尾忠則展をやっているとのこと。今日が最終日だそうで、行ってみることにしました。
1960年代から最新作までの作品が展示されていました。
横尾忠則といえば1960年代のポップアート、70年代の演劇のポスターなどが有名です。ビートルズ、特にジョンレノンとも交流があったと記憶しています。
 
初期の猫の作品が気に入りました。

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ずばりジョンとヨーコの活動に関するポスターも展示されていました。

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ここは演劇のポスターのコーナー。

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実は今日は横尾忠則本人が来てサイン会も開催されるようだったのですが、時間が合わなくて断念しました。
 
帰りにカタログを買って、電車の中で少し見てたのですが、ジョンレノンの姿を描いた作品もあったようでした。見逃してしまったようで残念でした。
 
ちなみに今回の展示は、写真撮影が可能でした。個人のブログに載せてもOKとのこと。おかげでこうやって紹介することができます。それから、毎回展覧会の初日は入館料が無料とのこと。市立で国際美術館を作ったりしていることも併せてなんとも豪快な美術館です。
 

「本の雑誌」編集者による座談会

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町田市民文学館ことばらんどで開催中の「本の雑誌厄よけ展」。先月に引き続き関連イベントがあったので再び町田に行ってきました。
今回は「『本の雑誌』編集者による座談会」です。前回の公開編集会議のときはインフルエンザで欠席していた浜本編集長も今回は出席したので、6人の社員全員が揃いました。しかも今日は客席の方に椎名誠さんと一緒に「本の雑誌」を創刊した目黒孝二さんも来ていました。
 
社員の方の自己紹介から始まりましたが、椎名さんや目黒さんが第一世代、目黒さんたちと直接過ごした浜本さんが第二世代、そして今の雑誌作りの中心は第三世代の社員たちということになるそうです。第三世代の社員たちが「本の雑誌」に入社した経緯を話したときには、初出社の時に、事務所に寝泊まりしていた目黒さんや浜本さんたちを見て普通の会社じゃないとびっくりしたとか、原稿の締め切りにまつわる話とか、いろいろ面白いエピソードを聞かせてくれました。
 
途中経営危機があり終刊しようかと考えたけど、社員たちが続けようと言ってくれたので続けることにしたというエピソードにはちょっぴり涙が出そうになりました。かつてに比べれば発行部数も少なくなってしまったようですが、本を読みたいという人たちがいる限り存在意義はあると思います。
 
今年入社した編集員は、以前はロッキングオンでも仕事をしていたとのこと。僕は本の雑誌ロッキングオンの両方を毎号買っているので、なんだかうれしくなりました。どちらも読書ファン、ロックファンが、自分たちが気に入ったものを他の人に勧めるために雑誌を作り、直接売り歩いたというもので、この2つの雑誌は成り立ちや精神がとても似ていると思います。
 
座談会が終了後は社員全員と目黒さんを加えたサイン会が行われましたので、前回買ってすでに持ってましたが、今日持ってこなかったので再び「ベスト10本の雑誌」を購入してサインをしてもらいました。おまけに皆さんと一緒に記念写真まで撮ってもらって大満足です。
 
 
今日はその後町田に泊まりました。
友達と一緒に「Trafalgar」というイングリッシュパブに行ったのですが、The Bawdiesのサインが入ったポスターなどがあちこちに飾られていました。そういえばThe Bawdiesのメンバーは町田出身だとか。このお店はファンにとっては聖地なのでしょうか?The Bawdiesファンの僕としてもうれしくなりました。

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日本酒文化専門店 窖

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6月1日に、笠間市にあるおなじみ磯蔵酒造が、東京の浅草に直営店をオープンしました。
たまたま東京出張があったので、帰りに浅草に寄ってみました。

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浅草寺の目と鼻の先、ちょっと奥まったビルの1階にそのお店はありました。お店の名前は「あなぐら」と読みます。
 
以前は別のお店だったそうですが、天井や壁が洞窟のようになっている内装はほぼ以前のお店のままだそうです。

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一応酒販店ということになるそうですが、立ち飲みでその場で飲めるようにもなっています。
 
おなじみの酒ですが、2杯ほどいただきました。

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お店のお姉さんは東京の人ですが、今の所週末などは蔵からもスタッフが来るそうです。
 
浅草は上野からも近く、茨城人にとっては行きやすいところです。また一つお気に入りの場所ができました。

清荒神

泊まった宝塚ホテルの外観。

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ホテルの窓からの景色。

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宝塚大劇場の脇を走る阪急今津線の電車。

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イギリス研究会2日目は清荒神きよしこうじん)に行ってきました。
 
集合場所は阪急宝塚線で宝塚の一つ隣の清荒神駅ですが、僕は泊まった宝塚ホテルから歩いて清荒神駅に行きました。途中で通る宝塚大劇場前には今日も大勢のファンが待機していました。今度は入り待ちでしょうか?ときどきキリッとした女性が歩いていたのは、きっと宝塚の男役の俳優さんなのでしょうか?とにかく他とは違った空気が漂う街でした。
 
清荒神駅には集合時間よりも少し早く着いたので、駅近くの図書館の前のベンチで持ってきた本を読んで時間をつぶします。
清荒神駅には駅舎とは別に臨時切符売り場の建物がありました。初詣などの季節には大勢の乗降客があるのだなということが想像できました。

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僕は早く着きましたが、他のメンバーは少し遅れて到着しました。なぜか近場に住む人の方が遅く着くという状況でした。
 
清荒神は創建1100余年の真言宗大本山とのことです。約1.5キロある参道には小さいながらも個性のあるお店が並んでいました。ちょうど長崎の五島列島に行ってきたばかりのメンバーがいたのですが、五島列島出身の方がやっている長崎の特産品を売るお店があったので足を止めてお店の方と少し話していました。
 
だんだん山の中の雰囲気を漂わせてきた頃、目的地の清荒神清澄寺に到着しました。まずは拝殿でお参りをして、境内の他のお堂を見て、本堂で再びお参りをしました。ここは火の神、台所の神として知られているそうです。以前は旅行の途中でこういったお寺や神社に来ても、ろくにお参りはしていませんでした。そこにお参りに行くために来たのではなく、何かのついでに行ってそれで神様にお願いしようなんて虫のいい話だろう、という気持ちがあったのです。でも最近はそれはそうとして、無事に生きてこの場所まで来ることができたに感謝し、これからもいい旅ができるようにとか食べ物や飲み物が美味しくいただけますように、とかをお礼とお願いをするようになりました。

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参拝を終えて参道を逆に戻ります。時間もちょうどお昼になったので、途中にあったカフェとランチのお店でお昼ご飯を食べました。大きなプレートに自家製の野菜を中心としたおかずが何種類も乗るものでした。一つだけ肉を使った料理があったのですが、僕が肉を食べないということを伝えると、その分代わりの品を乗せてくれたり、5人で行ったのでテーブルを寄せて席を作ってくれたりと、いろいろ融通を利かせてくれました。

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ランチを食べ終わった頃に一人のメンバーが先に帰り、行きにも寄った長崎物産店に再び立ち寄り、清荒神駅で僕も分かれて帰途につきました。
 
帰りは新幹線でしたが、車内で「阪急電車」を読んでみると、冒頭のエピソードに出てくる図書館が今日の朝にその前で本を読んでいた図書館のことだったり、前日に乗った電車の車内が舞台になっていたりで楽しかったです。
 
 
この日一緒に行ったyoshiteruさんのブログ。