県北芸術祭(4)常陸大宮、常陸太田

前回で海側の展示は全部見たので今日からは山側の展示です。
まずは常陸大宮市の空き店舗での展示。
 

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内海聖史さんの作品です。建物の天井の高さよりも大きい作品なので立てて展示することができません。
 

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これはレ=トゥア ティエンさんの作品。
天井から吊るされたバラバラの枝が、シルエットで木になっていました。
 

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隣接する別の空き店舗でのミヒャエル ボイトラーさんの作品。
木と竹と障子紙でできた大きな作品ですが、手で回すことができます。作品の周りにはこれから追加で貼り付けていくであろう素材が置かれていました。制作しながら展示していく作品なのかな?
 
 
次の展示会場に向かう前に寄り道したのは玉川村の横穴古墳。

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これは飴屋法水さんの「何処からの手紙」の作品の一つです。場所自体は今回の芸術祭とは関係なく存在しますが、それを作品にしているのは地元の大宮玉川郵便局から届いた手紙です。その中にこの横穴古墳にまつわるストーリーと地図が同封されていました。通常の展示会場では他のお客さんもいるのですがここは手紙を受け取った人しか来ない場所です。たった一人で実在する古墳と想像の物語を楽しんできました。
 
でもそこから次の場所に移動する途中、自転車で古墳の方に向かう人を見かけました。きっと僕と同じように手紙を受け取った人なのでしょう。手紙の指定では近くの水郡線玉川村駅から貸し自転車を借りていくことになっていました。僕は車で行きましたが、他に誰もいない古墳で同じ目的の人に会えたら楽しかったろうなと思いました。
 
 
そこから山の中をずんずんと進んで行ったのが旧美和中学校。ここは9組のアーティストの作品がありました。
 

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これは家庭科室や理科室などを使ったイザベル デジューさんの作品。
遠くにある何かを手前と中間にある2つのレンズを通して見るというものでした。
美和中学校は確か、僕の中学校の時の担任の先生が後に転勤していった学校だったと思います。その先生は理科の先生でもあったので、その先生のことを思い出しながら作品を見てました。
 

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これは佐藤悠さんのビデオ作品。県北芸術祭の展示作品を歌に合わせて紹介するという作品でした。
 

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これは津田翔平さんの作品の入り口。作品は職員室の中を真っ暗にして、その中を赤いレーザー光線でスキャンするようにしながら、何かが積み重なっているのを見る、というものでした。なので中は写真撮影ができなかったので入り口の写真だけです。
 

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これは校長室に飾られたmagmaの作品。学校での校庭や体育館で偉い人の話を聞く時に、退屈まぎれに話している人に対していろんなことを想像したことを思い出すようなユニークな作品でした。
 

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これは芸術祭のポスターにも使われた落合陽一さんの作品。薄いシャボン膜に蝶の映像を映すというものです。ポスターだと窓の外の森を背景にしていましたが、あまり明るいとよく見えませんでした。ちょっと角度を変えて写真に撮ることができました。
 

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これは鈴木浩之+大木真人さんの作品。作品というか、地球観測衛星からの電波を反射させるカゴのようなものを置いて、それを撮影したものでした。
 

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これは山本美希さんの作品。山本さんの作品は常陸多賀駅周辺にもありましたが、こちらは山本さんの漫画の原画の展示だそうです。
 

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これは村上史明さんの作品。日立駅にもありましたが、これも同じような作品で、こちらは天井から吊り下げられた飛行機型のレンズを通して見るので視線を動かすことができます。すると中の映像も同じように動きます。ですがそこに見えるのは仮想の映像なのです。自分で視線を変えられる分、余計不思議な感じがします。
 

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これはCALAR.inkの作品。ちょうど12時からパフォーマンスが始まるということであまり待つことなく見ることができました。まるで遊園地のアトラクションのように大きな本の中をくぐり抜けるとそこには物語の世界が広がっていました。プロジェクションマッピングとライブペインティングを組み合わせて、観客も参加しながらストーリーが進みます。とても楽しい作品でした。
 

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これは「Sound of Tap Board」チーム。タップダンスのように足を踏み鳴らすのですが、出てくる音を変えることができます。中には納豆の音のようなものもありましたが、それは何やらねちゃっとした音がしました。
 

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屋上には先ほども展示があった村上史明さんのもう一つの作品がありました。こちらは日立駅のと同じような形でしたが、見えるのは山の上にかぶさる大きな女の人でした。
 

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校庭に並べられた机と椅子も落合陽一さんの作品です。机が置かれている場所に近づくとそこにはいないはずの子供達の声が聞こえてくるという不思議な作品でした。
 
美和中学校の作品は点数も多かったですが、どれも見応えのある作品ばかりでした。
 
 
途中で常陸秋そばを食べながら次に向かったのは旧家谷楽青少年の家。

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駐車場にいきなりあったのはタワッシャイ プンサワッさんの作品です。ただしちょっと理解が難しかったです。
 
建物の中にはワン テユさんとマシュー ジェンセンさんの作品。

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ワンテユさんのは吹き抜けを大きな白い布で覆った作品。中に入ることができました。
 

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マシュージェンセンさんの作品は上空から見た久慈川の写真と畳の上に置いた石ころを組み合わせた作品。会場のすぐそばを流れる久慈川のいろいろな姿を想像しながら見ました。
 

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体育館の中にあったのはザドック ベン=デイヴィッドさんの作品です。入り口から見たらモノトーンの植物でしたが、奥に行って反対側から見ると鮮やかなカラーになっているのが驚きでした。

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常陸大宮市の最後の作品は道の駅常陸大宮かわプラザが会場です。今日は常陸大宮市制施行記念のイベントも開かれていたようですが、それを見ていると時間がなくなることがわかっていたのでパスして、塩谷良太さんの展示作品だけ見ました。

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久慈川を望む場所に置かれた大小の彫刻です。県北芸術祭だけでなく恒久的に設置される作品とのこと。さっそく子供たちの遊び場となって使われているようです。
 
 
今日の予定はここまでのつもりでしたが、もう少し時間がとれそうです。帰りの道すがら常陸太田市内の作品をいくつか見てみることにしました。
 
常陸太田市自然休養村管理センターには6組の作品の展示がありました。

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これは石田尚志さんの映像作品。壁と床にアニメーションのような映像を写していました。
 

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これは三原総一郎さんの苔の作品。係りの人が子供に霧吹きを渡していました。湿らせると苔が開いたりするのかな?
 

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これはBCLの作品。折り鶴なのですが、DNA鎖が注入された和紙を使った折り鶴とのことです。
 

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これはヴァイド インフラの作品。なんと納豆菌を使って3Dプリンターで出力した作品だそうです。
 

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これは岩崎秀雄+metaPhorestの作品。県北で盛んな納豆や日本酒、醤油などの発酵文化と、人工細胞を組み合わせた作品でした。
 

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これはオロン&イオナ&マイクの作品。ミツバチと微生物の2つの孵化器で芸術とバイオテクノロジーの組み合わせだそうです。この会場では山の自然とテクノロジーを生かした作品が多くありましたが、実際の展示会場も山の中にあるので、会場の中と外の一体感を生み出しています。
 
続いては市街地の方に移動して、常陸太田市民交流センター、パルティホールの庭にある國安孝昌さんの作品。

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日立市の海沿いにあった作品と対になっているものです。こちらのはより大型の作品になっていました。
 
今日のラストは道の駅ひたちおおたの中にある内海聖史さんの作品。

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この作品はレストランの中にあるので食事をしないと見ることができません。少し早めの夕食を食べながら鑑賞しました。
そういえば今日は最初に見たのも内海聖史さんの作品でした。内海さんの作品で始まり、内海さんの作品で終わった1日でした。