上海旅行2日目

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ホテルは朝食無しだったけど、2日目の朝起きたら既に10時を過ぎていたので、無しでちょうどよかったかも。今日は鉄道に乗って蘇州まで行くので、まずは地下鉄で上海火車站へ。これは要するに「上海鉄道駅」という意味。ちなみに火車が鉄道で、汽車が自動車のこと。上海火車站で何か食べ物を買って列車の中で食べようとも思ったけど、まずは切符を買わなくては。たくさんある窓口には何だかやたらと人が並んでいるが、そのうちの一つが英語対応の窓口だったのでそこに並んだ。どうやって買うかもよくわからず、とにかく蘇州へ1枚、と頼んだらこれから10数分後に出発する「和諧号」の切符が出てきた。蘇州まで31元。駅の入り口で荷物検査を行って階上に上がると、列車毎に待合室が決まっているようだった。しかし既に僕の乗る列車の発車時刻が迫ってきているのですでに待合室には人はいない。何かお弁当を買おうと思っていたけど、迷っているうちに時間が無くなってしまったので、何も買わずにホームへ走る。ホームへ出てびっくり、「和諧号」の車両は日本の新幹線そのものだった。中国に新幹線のような高速鉄道が走っていることは知っていたけど、今回の旅行には無縁かと思っていただけにこれには驚いてしまった。ちなみに僕の指定席は1等車だった。買う時に何も指定しなかったけど、きっと外国人には自動的に1等車を割り当ててしまうんだろう。

この新幹線もどきは南京行きで、約30分で蘇州駅に着いた。蘇州駅は最初の停車駅。降りる駅を間違えるとどこに連れていかれるかわからないだけにちょっとドキドキした。蘇州駅はこれまた列車から降りた客に客引きのおじじ、おばばなど人が大勢いた。とりあえず客引きは無視して駅横にある食堂を覗いてみるがやはり入る勇気がなく、コンビニエンスストアで月餅とジュースを買って遅い朝食にした。

ここ蘇州では、山塘街で古い街並みを見てそこから舟で虎丘に行き、世界遺産の留園を見て、観前街をぶらぶらする、というおおまかな予定を立てていた。蘇州の中心部まではちょっとした距離があるけど、まずは山塘街まで1kmほど歩いていくことにした。駅前は大規模な工事中でとてもほこりっぽい。程なくして小さな運河が見えてきたらそこが山塘街だった。ここは最近になって再開発して昔風の街並みを再現したというからちょっと作り物っぽい感じもしたけど、それでもいい雰囲気だった。辺りを一回りした後、舟で虎丘に向かおうとしたけど、舟の切符売り場は英語が通じなかった。ここで初めてニンテンドーDSの「旅の指さし会話帳 中国」を出して、だけどそのまま同じ例文では話が通じないからメモ帳に「我要虎丘的票船」と書いて売り場の人に出してみたら、僕のメモ帳をとって「船は8人乗り、現在あなた一人」といった意味の字を書いて返した。すでに何組か船に乗っているグループを見たけどどうもツアーで来ているようで、個人で船に乗る場合は他に一緒に乗る人が来るまで待っていなくてはならないようだった。雪花という中国の缶ビールを買って飲みながら待っていたけど、いつまでたっても人がこない。仕方がないので船に乗るのは諦めて留園に向かった。

留園の近くでお昼でも食べようと思い、ガイドブックに載っていた功徳林の支店に行ってみたけど、営業しているんだかいないんだかわからないような雰囲気だったのでここでも食べるのを諦めた。やはり言葉がわからないとつらいものがある。そのまま留園に入った。留園は、清代の庭園で、中国四大庭園としても有名だそうだ。中は塀や木、建物によっていくつもの区域に分かれていて、それぞれ異なった趣がある。どこを歩いても庭の景色が素晴らしい。庭園のあちこちにある小屋の中では、時々中国美女が衣装を着て笛や琴などの演奏が行われていたり、短い劇を上演していたりして面白かった。ここで「写真を撮って下さい」と観光客に中国語で話しかけてみたら、「I'm Korean」と言われてしまって苦笑い。

留園で満足した後は、タクシーで観前街へ。中国は車は右側通行だけど、どうも信号が赤でも右折は可能らしい。だから歩行者は信号が青でも車に注意しなくてはならない。逆に信号が赤でも車の合間を縫って渡っている。歩行者とドライバーとどちらも強引に自分の道を行こうとしているようだ。以前、群ようこの中国旅行のエッセイで、「歩行者はドライバーの方を向いちゃダメ、自動車が来ることを認めることになるから。だから車を見ないで渡りなさい、とガイドさんに教えられて、ヒエーと思った」というようなことが書いてあったけど本当のことのようだった。中国では自転車だけでなくスクーターもたくさん走っていたけど、そのスクーターは電動で動くものが多いらしく、静かに走っているので歩いている時には不意に近づいてくるから注意しなくてはならない。上海のとある交差点では自転車専用の信号機というのもあって、さすが自転車大国と思った。ちなみに地下鉄でも降りる人よりも先に乗ろうとする。交差点にしても地下鉄にしても、一応文明のルールを守りましょう、みたいな標語が書かれているんだけど、なかなか人々の意識は変わらないようだ。

それはともかく、観前街は現代風の店が建ち並ぶ歩道専用のショッピングストリートのようだった。この近くにある有名なレストランで遅い昼食を食べた。ここは桂魚を揚げて甘いあんかけをした料理が有名とのこと。その名物料理と、汁ものとご飯ものを注文した。中国での料理は量的には人数分プラス1つというのが基本だと考えているけど、そうすると一人だと2種類注文してちょうどいいくらい。でもそれではあまり種類が楽しめなくてつまらない。だから中国の一人旅はその点でも不利なんだけど、残すのを覚悟で3種類注文してしまった。それとビールは中国語のメニューしかなくてよくわからずに「百威」というのを注文した。そしたらそれはBudweiserのことだった。

日も落ちてきてこれからは鉄道で上海に戻るのだけど、ここから鉄道駅までは歩いていくのには距離があるので、輪タクもあったけど、モーター三輪車のも一度乗ってみたくなったので、地図を見せて値段を聞いてみると何か言いながら、20元だという。ちょっと高いかなと思いつつ乗ってみたけど、途中でカラオケ屋で止まってしまった。何だこりゃと思いつつ、こんなところには行かないと車を降りて駅の方向に向かって歩いていくとしつこく着いてくる。お金を払えと言っているようだ。まあ途中まででも乗せてきてもらったのだから20元払うと、なおもしつこく付いてくる。駅まで行くから乗ってくれ、と言っているようだった。あまりしつこいので仕方なく再び乗り込むとどうやら今度はちゃんと駅まで連れていってくれた。ところが降りるとまた金を払えと言っているようだった。ガイドブックによるとモーター三輪車はボラれるし安全面でもおすすめできないとあったが、まさにその通りだった。やむなく追加で40元払ってしまった。最初から素直にタクシーにしておけばよかったけど、これもまあ勉強代だろう。ちなみに距離的にはあまり変わらない留園から観前街までのタクシーは11元だった。

鉄道駅について上海までの切符を買うのにまた一苦労。ガイドブックによると切符売り場が2ヶ所あって第1売り場が全国向けの切符、上海などの近距離は第2売り場とあったけど、その第2売り場は工事で建物を取り壊しているところだった。だから第1売り場には何やら看板がぶら下がっているのだった。でもここは上海と違って英語の窓口がなかったので、不安に思いつつ第1売り場の列に並ぶ。窓口でとにかく上海まで、というとやはり次に出る列車の切符が出てきた。今度は13元の切符だったので新幹線もどきではない普通の列車なのだろう。ここでも列車別待合室になっていて少しの間待った後、発車の15分くらい前になってホームへの扉が開けられた。まもなく着いた列車は機関車にひかれた車両で、先頭の方には寝台車がついていた。どこからか遠くの方から延々と走ってきた列車なのだろう。僕の乗る車両は、3人掛けと2人掛けのイスが向かい合ったもので、指定された僕の席は3人掛けの真ん中の席だった。周りなどうも同じグループらしく、少し肩身の狭い思いで上海までの約1時間を過ごした。車内販売で暖かそうなお弁当も売っていた。上海で降りる時になって、前に座っていた人がイスの下からとり出した袋状の荷物から、なにやら鶏の鳴き声らしき音が聞こえてちょっとびっくり。生きたまま持ってきていたらしい。

その後いったんホテルに戻ってシャワーを浴び、再び外へ。今日はこれから飲みに行く。いろいろ行ってみたいところがあったけど、まずは。もしかしたらどこかでヨーロッパのフットボールチャンピオンズリーグの試合のテレビ中継をやっているところが無いかを探すためにも、衡山路のアイリッシュパブへ。途中で別のパブを発見するも通り過ぎて、O'malley's Irish Pub Shanghaiに行った。この辺りはお洒落なバーが密集するエリアだそうだ。なので西洋人率が高かった。このパブで、おなじみKilkennyを飲む。こういうところなら難なく注文できる。このパブは邸宅を一軒まるごとパブにしてしまったような感じで、中庭はあるし、2階のテラス席はあるしでたくさんの客が集まっても大丈夫なようだった。イングランドプレミアリーグの試合中継のお知らせはあったものの、残念ながらチャンピオンズリーグの試合中継はやらないようだった。久しぶりのビターだったけど、ここでばかり飲んでいても仕方がないので、次の店へ。次は蒋介石夫妻や江青などの手に渡ったことがあるという洋館のレストラン&バーのSasha's。こういったお店では何か特徴のあるカクテルがあるに違いないと思ってメニューを見てみると、ありました。その名もSasha the Zombie。何がゾンビだと思いつつラムとフルーツのカクテルとゆっくりと味わう。壁には宗家の家族の肖像が飾ってあった。上海に来る前に宗家の三姉妹に関する本を読んでみたけど、なかなかのブルジョワ的な生活をしていたみたいだというのが感想。それにしてもとても興味深い家族だ。近くには宋慶齢の住んでいた家というのも公開されているようだけど、今回は時間的な余裕がないので行かない。でも次に上海に来た時には往ってみたいと思う。

次にもう一軒、中国的な雰囲気があるということでサイトに紹介されていたバーに行くつもりで茂名南路を歩いてみたものの、書かれてある番地にはそのような店が見当たらず、残念ながらここでバー巡りは終りにしてタクシーでホテルに戻った。それでもちょっと物足りない気分だったので、ホテルの裏手にあったローソンで、タカラのチューハイ梅子味と、カップ麺、アイス、オレンジジュースを買って部屋でチューハイを飲んだ。ローソンではカップ麺に箸をつけてくれと店員さんに言ってみたがなかなか通じず、奥から上司らしき店員に来てもらって、箸を付けてもらった。ところがカップ麺を開けてみると中にスプーンが入っていた。海外では最初からスプーンがついているのが常識だったみたい。


それでは2日目のお酒と食事の写真です。
これは蘇州山塘街で船を待ちながら飲んだ、雪花(SNOW)ビール。

蘇州観前街の得月楼のBudweiserと、松鼠桂魚、野菜スープ、焼き飯。

上海に戻り、Irish PubでのKilkenny

Sasha'sでのZombie

最後に、ホテルの部屋でタカラチューハイ梅子味

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