「鴨川ホルモー」舞台版

万城目学の原作で、映画化もされていたけど、舞台にもなったということで東京吉祥寺の吉祥寺シアターに行って見てきた。

本で読んだときは想像力を働かせてとても楽しみ、映画版は京都の風景と映像技術を楽しみ、そして舞台版ではビジュアル的な制約がある代わりに別な意味での想像力をかき立てられる、といったように、それぞれ違う面白さがあった。
舞台版は映画版とも微妙に設定が変わっているところもあったが、逆に映画では脚色されたシーンが原作通りの設定だったりと、短い期間に見比べることができたのも面白かった。
舞台のいいところはやはりライブ感。観客の目の前でまさに俳優の演技する姿を見るのは興奮する。
音楽の世界ではレコーディングされたCDと、生演奏のライブがあってどちらもそれぞれのよさがあるのと同様に、映像の世界でも丁寧に手を加えて仕上げた映画と、生で演じる舞台とどちらも素晴らしいものがある。

設定で面白いのは、映画版で主人公の敵役だった俳優さんが、舞台では主人公の役をやっていること。
このストーリーは敵役がキザな男で、主人公はどちらかというとぱっとしない平凡な男だが、この俳優さんは映画ではキザな男だったのに、舞台版では見事に平凡でぱっとしない男を演じていた。不思議な感じ。そして映画でも主人公が最初に好きになる女の子役は映画でも舞台でも同じ人だった。

この舞台は、東京の後は京都、名古屋、大阪でそれぞれ1日限りの公演をやるそうで、京都で見たらまた面白いだろうなあと思った。

舞台版鴨川ホルモーの公式サイトはこちら。
http://www.duncan.co.jp/web/stage/horumo/