和歌山、たま電車とたま駅長

週をまたいで大阪出張なので、土日は家に帰らず大阪にとどまることにした。でも大阪市内は暑いしいつも市内ばかりなので、この機会に大阪近郊に行ってみることにした。
というわけで、土曜日はネコの駅長「たま」がいる和歌山の和歌山電鉄貴志駅に行くことにした。

和歌山に行くのには南海かJR阪和線で、和歌山電鉄に乗るのであればJRの方が便利そうだったけど、せっかくの機会なので両方乗ってみようと、行きは難波から南海本線の特急サザンにのって和歌山市駅に行った。南海の特急は特急券がいると聞いていたので窓口で特急券を買ったけど、サザンは特急券のいらない自由席もあったみたい。でも特急券を買った場合はちょっとグレードの高い席なので、途中昼寝しながら和歌山に向かった。

和歌山市に着くとやっぱりここも暑かった。和歌山電鉄には「たま駅長」にちなんだ「たま電車」というのも走っているので、その時間に合わせて和歌山市内で時間つぶしに和歌山城に行ってみた。学生時代、お城は戦争のための建物なのであまり好きではない、という話を聞いたこともあってそれほど城に興味を持っているわけではないけど、和歌山は僕の地元水戸・尾張名古屋と並ぶ徳川御三家の一つなので、多少の興味はあった。

お城の塀の狭間に猫が寝ていた。



和歌山城から歩いて和歌山駅に行き、たま電車に乗る。和歌山駅はJRの駅で、その端っこにある和歌山電鉄のホームに行くのにはJRの改札を通るのだが、買おうと思った和歌山電鉄の1日乗車券は窓口では売っておらず、和歌山電鉄のホームでしか売っていない。そのため、1日乗車券を買う場合にはきっぷを持たずにJRの駅員さんに声をかけて改札を通ることになる。この1日乗車券、和歌山駅貴志駅の往復運賃よりも安いので、単純に行って帰ってくるだけでも元が取れちゃうのでお得なのだ。

ホームに行くとすでにたま電車が停まっていた。2両編成の電車だけど、外装はもちろん、内装にも猫の絵や猫のモチーフのアイテムが一杯。猫好きにはたまらない。







和歌山駅から30分ほどで終点の貴志駅に着く。貴志駅たま駅長にあやかって、つい最近駅舎が新しくなったばかりだった。以前はひなびたローカル線の駅だったのが、全体が猫の顔の形をした立派な駅舎になっており、駅の中もカフェがあったりして見ているだけでも楽しい。ひなびた駅に旅情を感じることが多いけど、それはよそ者の勝手な思いだろう。地元の人に愛されるのが一番なのではないか。







そしてお目当てのたま駅長は、ガラスの向こう側にいてお昼寝中。うちの猫と同じ三毛猫なので親近感がある。そんなたま駅長を見るのにお客さんも並んで待っている。昔の駅では、改札口に座ってお客さんを出迎えていたような写真もあったけど、今やたま駅長も人気者なのでこうやってガラスの向こう側にいるんだろう。ちょっとかわいそうな気もしてきた。


猫は寝るのが仕事みたいなものだけど、それでもしばらく待っているとのそのそと起きだして部屋の中をうろうろしだした。それでようやく顔を眺めることができた。本来はこの貴志駅は無人駅だけど、たま駅長は、駅を管理している小山商店の飼い猫だそうだ。それにたま駅長を見にやってくるお客さんの対応のために、ボランティアの人たちが大勢いた。


たま駅長はだんだん落ち着かなくなって奥に隠れたり、しきりに奥の方を向いていたりしたけど、ボランティアの人によると、そろそろご飯の時間なので、ご飯がまだかなあ、と思って奥の方を見ているのだろう、と言っていた。


1時間ほど貴志駅に滞在して再びたま電車に乗って和歌山に、そしてJR、地下鉄と乗り継いで心斎橋のホテルに戻った。貴志駅に着くときと出るときの車内放送のメロディーが、ビートルズのStrawberry Fields Foreverだったのも楽しかった。和歌山電鉄沿線はイチゴでも有名で、いちご電車というのもあるからこの選曲なんだろう。


この日の残りの写真はこちらでどうぞ。