石巻市牡鹿町

石巻に行くのに一応テントと寝袋は持っていったのだが、どちらも使わずに済んだ。ちゃんとしたホテルや旅館はないが、屋根があるだけで助かる。
朝食もご飯を炊いたが、お昼用に多めに炊いておにぎりにした。
一応牡鹿半島コンビニエンスストアが1軒営業しているから、自炊しなくても大丈夫のようだが、キャンプ道具を使うのも楽しい。
ただ、初心者にはやはり参加するハードルは高いかな。


牡鹿半島の2日目も朝から暑い。今日も前日に引き続き側溝清掃作業となった。
ただし今日はその前に、牡鹿公民館の駐車場で地元の商店の方達による復興市が開催されるというのでテント設営などのお手伝いを若干行う。
公民館の裏手には体育館があり、そこに資材や救援物資が保管されているのだが、ここは4月までは遺体安置所だったとのこと。今でこそ落ち着いて見えるが、3月4月は大変だったのだろう。


今日の側溝は前日とは少し場所を変えて、小渕浜の小さな漁港のすぐそば。港に近いためか水分を多く含むヘドロが側溝を埋めている。まずはたまった水をバケツですくい、その後泥をスコップで取り除く。泥が取り除かれると少しずつではあるが水が流れるようになる。

それにしても今日も暑い。午前中、トイレ休憩に行った後で頭がふらふらしてきたので、わずかな日陰で少し休憩した後は無理をせず今日も比較的軽い作業をやらせてもらった。
熱中症予防にとボランティアセンターから電解水を持ってきたのだが、おいしくないという評判で、試しに飲んでみると確かに味気ないと思った。しかし熱中症気味になってから口にするとごくごくとノドを通るようになってしまった。かなり危ない状態だったのかもしれない。

休憩時間中に見上げた牡鹿半島の空。

午後の後半は、掻き出したヘドロを詰めた土嚢袋を別の場所に運ぶという作業で、軽トラックに積んで戻ってくるまでの間は休憩時間となるので、疲れた体にはありがたかった。


大量に出た土嚢袋も無くなり、道具を片付けている頃、だんだん海の潮位が上がってくると、きれいにした側溝にも海水が逆流するようになった。ここ牡鹿半島は今回の地震で1mほど地盤沈下してしまい、この付近も海抜ゼロメートル地帯となってしまったようだ。見る見るうちに側溝から海水が溢れてしまった。これでは昨日と同じく道路に落とし穴ができた状態だ。ちょうど道路を横断する形で側溝がありとても危険なので、そこら辺に落ちているガレキを使って即席のふたを作ることにした。


きれいにした側溝に海水がたまり始めて、

道路に溢れていく。

そして側溝であることがわからなくなってしまった。


夕方になり公民館に戻って作業終了。


暑い2日間だったためあまり力にはなれなかったけど、まだ人手が必要としているところがたくさんあることを実感した。距離があるのでそう頻繁には来れないけど、機会があればまた来なければならないと思った。


今日はこのまま石巻を後にして仙台に泊まることにしていた。2日間を過ごしたボランティアセンターのスタッフや、一緒に作業した人たちに挨拶をして仙台に向けて車を走らせた。途中にあるコンビニエンスストアにも立ち寄り、三陸河北新聞社発行の石巻地方の津波記録の写真集を購入した。


石巻の市街地を通る時は、牡鹿半島に行く時とは違うルートで、沿岸部を通ってみた。
水産物加工会社、製紙会社、いろいろ大規模な工場が並んでいる通りだったが、ことごとく破壊されている。
やはり聞くと見るとでは全然違う。たった2日間だけだったけどいい経験になった。


石巻市牡鹿半島のボランティアセンターの情報量が少なめですが、個人参加大歓迎だそう。センターからの情報がなくても、参加者の体験談が聞けると様子が分かっていいかもと思う。僕この体験談が多少の役に立てばと思う。

石巻市牡鹿ボランティアセンターのTwitterアカウントはこちら。
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