「坂茂 建築の考え方と作り方」、弘道館修復工事

水戸芸術館での現代美術の展示。今回は建築家の展示なんだけど、建築作品というよりは災害支援を紹介する展示に興味を持ち、東京から来たスコップ団の仲間と見に行ってきた。
芸術館の広場ではちょうどイベントが開催されていて賑やかだったけど、その広場の一角に最初の展示があった。宮城県女川町に建設されたコンテナを利用した仮設住宅の実物大模型だ。仮設住宅の実際の建設風景などが映像で紹介されていたけど、仮設住宅の中に入ることも出来て仮設住宅の生活をちょっとだけ体験できる。

ギャラリーに入ると、最初に目につくのは紙管を使った作品。コストが安く再生もしやすいのが特徴だという。この紙管の作品から、災害時の住まいに関する支援活動に繋がっているというのが容易に想像できた。

実際、通常の建築家らしいデザイン性に優れた作品も多く展示されていたけど、やはり目につくのは災害支援に関する展示だった。

原点となった1995年の阪神淡路大震災時の紙のログハウス、紙の教会から始まり、2008年の中国成都の小学校の紙管仮設校舎、そして東日本大震災時の避難所用間仕切りシステム。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)用のルワンダでの紙のシェルターまでもが展示されていた。

今回の展示はいつもの芸術性よりは技術性の高い展示だったが、その分勉強になる展示だった。

ちなみに、今回は会場内の撮影が可能だった。


坂 茂 建築の考え方と作り方
2013年3月2日[土]から2013年5月12日[日]まで
http://arttowermito.or.jp/gallery/gallery02.html?id=342


芸術館を後にして、水戸駅に戻りながら、水戸は初めてだと言う友人に弘道館を案内した。
弘道館水戸藩の藩校だけど、東日本大震災で被害を受け現在は修復工事中のため内部の見学はできない。その代わり庭園には無料で入ることができ、修復工事の様子を一部除くことができるのだ。

僕自身震災後は外からは見たことがあったが中に入るのは初めてだったので興味深く見学した。



弘道館の後は、水戸城趾に残る薬医門を見学し、最後は水戸駅ビルにある那珂市の地ビール「常陸野ネストビール」直営の店でビールを飲んで東京に帰る友人を見送った。