閖上地区側溝捜索活動

5月に初めて行った宮城県名取市閖上地区。ここでSTEPという、地元の人たちが中心となったグループにより行方不明者の捜索活動が続けられています。捜索活動と言っても組織だって行うというよりは各自都合の良い時間に少しずつ、まだ手つかずの側溝を中心に捜索を行うという方法のため、ゲリラ側溝捜索活動と呼ばれています。


今回そのゲリラ側溝捜索活動に初めて参加しました。
閖上自体も、今年の5月4日に朝市がもとの港の場所で再開した日に訪れたのが初めてでした。その時は朝市で買い物をして閖上地区を見ただけでしたが、一度現地を見た後でその場所で捜索活動を行っていると聞いたので、何か役に立ちたい、と思って今回参加することにしました。何せ閖上は高速道路からのアクセスがとてもよく、車で参加しやすい場所です。


閖上までは前日宿泊した福島市からは高速で1時間とちょっとです。9時の集合時間の前に、早めに閖上に行って、朝市で試食の仙台味噌を使った味噌汁に揚げたて白身魚フライと買ったばかりのホタテを自分で炉端で焼いて朝食としました。さらにラッキーなことにちょうど東松島市の中学生の団体さん向けに笹かま焼きをやっていたおこぼれにも預かりました。自分で焼いた笹かまはとてもおいしかったです。閖上での日曜日の活動は朝市に行けるのがいいです。



朝市会場では今回一緒に活動した方と合流しました。スコップ団でも一緒だったので心強いです。もう一人、地元のスコップ団仲間とも再会できました。


9時になって集合場所の閖上中学校に行きました。まずは津波で犠牲になった中学生の慰霊碑に線香を供えました。今日の参加者は僕を含めて5人でしたが、女性の参加者はなく、みんなおっさんばかりでした。


今回は僕が初参加でしたので、地元組3人から説明を受けました。そして道具を車に積み込んで活動場所へ移動です。最初は道路の交差点部分の4つ角のマスの捜索です。水がたまっているので底を掬うようにして堆積してるものを道路の上に出しました。出てきたのは小銭少々と鍵、ネックレスなどでした。今日は日差しが強く、休みながらの活動でした。その後はお寺近くの側溝に移動しましたが、こちらは小さな側溝で底が目で見えるくらいでした。1カ所だけ網になっているところに土砂がたまっていたのでそこは掻き出してみました。牡蠣の殻がたくさん出てきて一瞬お骨と見間違いそうになりますが、特に遺骨や遺品などは見つかりませんでした。
今日は地元組3人が午前中で引き上げてしまうというので、僕ともう一人兵庫県からの遠方組2人も一緒に引き上げることにしました。

今回は少しの時間だけでしたが、あまり根つめてがっつり活動すると帰り道や翌日以降がつらいので、あまり気合いを入れすぎず、しかしこれからも継続的に参加していきたいと思います。

ちなみに今日はNHKの取材陣がやってきて、僕たちが活動しているところをカメラに収めていました。朝市ならぬ「あさイチ」という番組の取材で、7月3日の放送を目指しているそうです。


閖上地区を後にして、まだ時間に余裕があったので、前回も訪れた仮設商店街「閖上さいかい市場」に行きました。ここでは前回買わなかった種類の閖上の地酒と、前回は売っているお店が休みで買えなかった震災当日の閖上の写真集を買いました。この写真集は、NHKスペシャル「巨大津波 その時ひとはどう動いたか」の本にもモノクロで載っていた写真が大きくカラーで載っているのでした。


それからまだ帰るには時間があったので、次に仙台市の荒浜地区に行ってみました。ここは地震の後最初にニュースで津波の被害があったと聞いた場所でした。その後東日本の沿岸部各地で軒並み津波被害にあったことを知ったのですが、やはり最初に聞いた地名は今でも記憶に残っています。海岸沿いは地元住民と工事関係者以外は立ち入り禁止と看板が出ていたので、僕もそこから先は行きませんでした。

ということで今回の閖上訪問は終了です。