あまちゃんを訪ねて岩手北三陸 1日目

NHKで放送されている連続テレビ小説はもともと好きで毎日見ているのですが、今放送中の「あまちゃん」はとても面白く、歴代作品の中でも一、二を争う面白さです。また、以前から好きな作品の舞台を訪ねる旅行もよくしているので、「あまちゃん」の舞台になっている岩手県三陸地方にも行ってみたいと思っていました。

そんな中、本来はお盆休みが10日間あるのですが、仕事が忙しくて断続的にしか休めませんでした。今回、東京での出張仕事の後、家には帰らずに思い切って1泊2日で北三陸に行ってきました。


前日夜からの仕事が終わり上野駅に着いたのが13時ちょっと前。これから新幹線の切符を買おうと思ったら指定席の発売状況を表示する画面に出ている列車はすべて満席表示でした。そういえば盛岡以北に行く「はやて」が全席指定であることを忘れていました。どうしようかと思ってとりあえず列に並び、僕の順番になったときに駅員さんにこれから乗れる一番早いのは何時ですか、と聞いてみたらこれから出る列車にちょうど1席空きが出ました、とのことなので、じゃあそれ、と買い求め無事に13時2分発のはやて35号に乗ることができました。

あまちゃんの舞台は岩手県久慈市。上野から行くルートはいくつかありましたが、今回選んだのは新幹線で八戸まで行ってそこからJR八戸線で久慈に行くというJRルートです。「あまちゃん」で北三陸市(実際には久慈市)から東京までのルートはなぜか北三陸鉄道(実際には三陸鉄道北リアス線)をはじめとして海沿いに仙台まで行って、仙台からやっと新幹線に乗るというルートが紹介されています。しかし実際にはこのルートはだいぶ時間がかかります。東京からの他のルートとしては、盛岡でバスに乗り換えるルートと、二戸でバスに乗り換えるルートがあるようです。

それはともかく、一日目はスタートが遅かったこともあり、久慈市に着いてホテルにチェックインするだけの予定です。
新幹線でちょうど3時間、八戸線で約2時間列車に揺られ、久慈に着いたのは夕方の6時過ぎでした。夏の夕暮れはまだちょっとだけ日が残ります。駅を降りると目の前には「あまちゃん」でおなじみの駅前デパートがありました。久慈駅前は何度も登場するロケスポットなので楽しくなります。本格的なロケ地巡りは翌日にすることにして、まずは駅前のホテルにチェックインしました。

ホテルの廊下の窓からちょうど三陸鉄道久慈駅が見えました。ドラマの中で主人公のアキとユイが家出しないかどうか駅前から見張るシーンがありましたが、そんな雰囲気になりました。

夜は居酒屋巡りの予定ですが、その前に久慈で一番気になるお店の場所を探します。ドラマに直接登場するわけではないけど、ロケ中に小泉今日子や役者さん、スタッフが通ったという喫茶&スナック「モカ」というお店です。駅前近辺の道をうろうろ歩きましたが、それらしいお店はありませんでした。住所を頼りにもう一度歩いてみると、その店はありました。しかし残念ながらこの日はお休みでシャッターが閉まっていました。だから最初は見逃してしまったのです。今の時期はお盆ですから臨時休業はある程度覚悟はしていました。しかし張り紙は「13日は休み」とあったので明日帰る前に寄れるかも、ということに期待して、飲みに行くお店に向かいました。

市の観光協会のホームページや、駅でもらったパンフレットを参考にどのお店に行こうか悩みましたが、単なる居酒屋ではなくてここはやっぱりお寿司屋さんでうにを食べたい、と思い選んだのが「輝寿し」でした。駅からはちょっと離れている場所でしたが、その分駅前の通りをぶらぶら散歩することができました。途中にあった本屋さんに入ってみると、「あまちゃん」のガイドブックPart2が売られていました。この本はネタバレしてしまうのでここで買うのは辞めておきました。その代わり岩手の震災被害をまとめた岩手日報の記録写真集を買いました。

回らないお寿司屋さんに一人で入るのはドキドキものですが、「輝寿し」に入ってまずは生ビールを頂きます。ここはお寿司だけでなくおつまみもある、ということで選んだお店でしたが、お通しに出てきたのは平カニでした。小さいながらも一匹のカニが出てきていきなりじぇじぇじぇです。何を注文しようか迷っていましたが、しばらくはこのカニでいけそうです。生ビールを飲んだ後のお酒は地元久慈市の地酒、福来です。縁起のいい名前ですが、茨城には来福という地酒があるので頭の中で混同してしまいました。


一人で入ったのでカウンターに座りましたが、別のカウンターのお客さん2人組はおじいちゃん風の男性と若手男性でしたが、おじいちゃんのほうが若手の方に外国の街の話しをしてました。これもドラマの中の忠兵衛さんみたいにきっと遠洋漁業に長く行ってて、今は引退しているのかなとか一人妄想してました。

酒だけ飲んでつまみを注文しないのもなんなので頼んだつまみはホヤの刺身です。普段は滅多に食べませんが、今日は豪華にいきましょう。

ちょうどここで夜9時になりました。久慈市の夜9時なんてつぶやくのもまた楽しい。

お酒も回っていい気分になったところでいよいよお寿司です。握り寿司はいろいろランクがあるわけですが、当然ウニを食べたいのでウニが入っているのを、と頼んだのが上にぎり。ウニは最初にしますか、後にしますか、と聞かれて最初に、とお願いしました。


このお店のご主人、僕が茨城から来た、と言ったら、水戸の明利酒造の侍ロックが好き、と言って一升瓶を見せてくれました。いいですねえ。

お店の中には地元ならではのあまちゃん宣伝グッズが飾られていたり、後ろを振り向くとキョンキョンがキリンの宣伝をしてたり、楽しくて仕方がありません。


さて、もう1軒くらい入ってみましょうか。今度は「寿々き」という居酒屋です。ここでも地酒を、とお願いしたら福来が出ました。そしておつまみは生うにです。おいしい〜!1時間ほど飲んでホテルに引き上げました。ホテルに戻る途中、街のカラオケ屋さんの店頭にはドラマの劇中歌「潮騒のメモリー」が入ってます、というお知らせがありました。もうドラマなんだかリアルなんだかわかりませんねえ。