盛岡

勤務先で勤続20年の報奨休暇をもらったので、3月11日を挟んで3月8日から15日まで、岩手と宮城の沿岸部に行ってきました。
福島や宮城には何度も足を運んだけど、岩手にはなかなか行けません。これまでに2回もらった報奨休暇では2回ともイギリスに行き、今回もまた海外に行こうかなとも思っていたのですが、やはりこの時期に日本を離れる気にもなれず、この機会にまだ訪れていなかった岩手県南部沿岸地域に行ってみようと思いました。それと、宮城県でも女川にはまだ行ったことがなかったし、石巻も旧牡鹿町には行ったけど市内は通り過ぎただけ、そしてさらに一度は行ってみたいと思っていた猫の島、田代島にも行ってみようということでおおまかな計画を立てました。


1日目は移動日として茨城から常磐道、磐越道、東北道を使って一気に盛岡まで行きます。途中仙台を過ぎた辺りから吹雪いてきましたが16時頃に無事に盛岡市内のホテルに到着しました。


盛岡は学生時代に一度旅行で来たことがあります。その後は2年前の宮古復興支援ツアーの時に立ち寄っただけでしたが、それ以来の盛岡です。ホテルは盛岡城趾公園の近くに取ったので、飲みに行く前に少し散策しました。この公園には宮沢賢治の碑や石川啄木の歌碑があります。学生時代の盛岡の旅も賢治や啄木の跡を訪ねる旅でした。

近くには東京駅と同じく辰野金吾が設計した煉瓦造りの岩手銀行の建物があるのですが、今は修復工事中でシートに覆われていました。


盛岡城趾を一回りした跡は居酒屋巡りです。盛岡の居酒屋巡りには久しぶりに太田和彦「居酒屋味酒覧」を参考にして、1軒目は「とらや」。
老舗の大衆居酒屋のようです。まだ早い時間でしたが席はほとんど埋まっていて、僕はなんとか座ることができましたが、後から来たお客さんは入れないので引き返していました。外は小雨が降っている少し寒い天気でしたので、一杯目から熱燗にしました。料理は蓮根のきんぴらと湯豆腐です。こちらのお酒は盛岡の地酒「菊の司」でした。隣に座った人が賑やかな人で僕の方にも話しかけてきたので少し話しをしました。地元の居酒屋で地元の酒を地元の人の話を聞きながら飲む、そんな旅の楽しさを1日目から味わうことができました。ちなみにこのお店ではお酒が1合で250円なのに対しビールが650円でしたので、お酒を飲むのが懐に優しいです。


さて、盛岡には他にも魅力的な居酒屋があります。古い銀行の建物がある路地を通り過ぎてあるのが、蔵を改造した「愛染横丁」というお店です。最初は他にお客さんが一人もいなくて、落ち着いた雰囲気のお店にちょっと戸惑いましたが、ほどなく他のお客さんも来てほっとしました。ここで飲んだのは、お店の名前がついた特別純米酒愛染横丁でした。それと焼きサツマアゲを食べました。お酒もすすんで、2杯目は鷲の尾 雄飛萬國翔。料理も里芋唐揚げを追加しました。


盛岡の夜はまだ続きます。
盛岡城趾の目の前にかつては城の一部であっただろう土地に昔ながらの飲食店街がありました。再開発の波に飲まれることなく今でも残っています。かといってお店が古いわけでもなく、意外にも若い店主によるものと思われるモダンなお店も結構あります。その中の1軒、「かもし処 陽-SUN-」というお店に入りました。今度は気分を変えてビールにしました。と言っても岩手県遠野産のホップを使ったキリン一番搾りです。


ここではこのビール1本だけで済ませ、そろそろホテルに戻ることにします。その前にもう一軒、ホテルの1階にある盛岡の地ビール、ベアレンビール直営のお店があるので入ってみます。ホテルで割引券をもらっていたのです。何種類ものクラフトビールがありましたが、その中からビターを選びました。それと宮古産カキと菜の花のクリーム煮も食べます。そして最後にホットビールなるものも飲んでみました。温かいビールなんてあるの?なんて思いましたが、意外にもそれほど悪くはありません。ただしそう何杯もはいらないかな。