「パロディ、二重の声」

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東京ステーションギャラリーの展示を見てきました。
今回の展示は1970年代のパロディ文化に焦点を当てた展示で、ポップカルチャーにも通じるところがあったので興味を持ちました。
最初がいきなり山縣旭のモナリザシリーズで、古今東西の有名な女性をモナリザのポーズで絵にしたものがたくさん展示していました。
展示室に入ると1960年代のハイレッドセンター赤瀬川原平の作品や横尾忠則の作品がありました。
また、パロディメディアとして出版物やポスターなども展示されていました。雑誌「ビックリハウス」がずらりと展示されているのは圧巻でしたが、展示室を先に進むとその「ビックリハウス」の実物が手にとって読めるようになっていました。
最後の展示はマッドアマノのパロディ裁判に関する展示でした。
ちなみに今回の展示は、一部の作品を除き写真撮影が可能でした。

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東京ステーションギャラリーは以前行ったことがありますが、その時は東京駅の丸の内中央口あたりから入場したと思います。東京駅が復元されてからは初めてでしたが、復元の時にギャラリーの場所が変わったようです。
場所は変わっても、東京駅創建当時の赤煉瓦が見えるのは以前と同じです。展示室自体が文化財というのがこのギャラリーの特徴です。

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展示の中で一つ気になったことがありました。横尾忠則のアニメ作品「堅々山夫婦庭訓(かちかちやまめおとのすじみち)」には、リチャードバートンとエリザベステーラーや西部劇、そして007シリーズの映画を模したシーンがありました。その中にはビートルズも出てくるのですが、作品のそばにある解説の中で「潜水艦(ビートルズイエローサブマリンのパロディ)」とありました。確かにこの作品のアニメはビートルズのアニメ映画「イエローサブマリン」に雰囲気が似ています。でも横尾忠則のこの作品は1965年の作品で、ビートルズの映画は1968年製作です。元になった曲「イエローサブマリン」でさえ1966年の作品です。あとで買ったカタログには横尾忠則自身の解説で同じ言葉が書かれていましたが、1995年の発言とのことなので、きっとこれは横尾忠則の勘違いでしょう。