あまや座「八重子のハミング」

f:id:ScouseKats:20171014114851j:plain

那珂市瓜連に「あまや座」という名の新しい映画館ができて今日がそのオープン初日です。オープニング上映は「八重子のハミング」という作品でしたが、聞いたことのない作品だったのと、今日は他にも興味のあるイベントがいくつかあったので行こうかどうか少し悩んだのですが、新規オープンの映画館の初日というのはそう滅多にあるものではないのと、開館記念でこの作品の佐々部清監督、主演の升毅さんがやってきて舞台挨拶とサイン会があるということで行ってきました。
 
初回上映の時間には間に合わなかったので2回目の時間に合わせて家を出ます。家からは車で20分ほどでしょうか。場所は水郡線瓜連駅近くの閉店したスーパーの駐車場です。スーパーの建物もそのまま残っていました。最初はこのスーパーを映画館にしようとしたらしいのですが、いろいろ事情があり、結局は新しく建てたようです。スーパーの名前が「あまや」だったので映画館の名前が「あまや座」になったのでした。

f:id:ScouseKats:20171014115216j:plain

サイン会にはパンフレットの購入が必要とのことで、まずはパンフレットを購入します。サイン会は1回目上映後の後、劇場の隣の閉店したスーパーの中でした。佐々部監督の作品は見たことがありませんでしたが、升毅さんは朝ドラ「あさが来た」に出演していたので印象に残っています。サインをもらう時にも「あさが来た」を見てました、と声をかけることができました。
 
サイン会が一段落したころに一緒に写真を撮ってもらいました。

f:id:ScouseKats:20171014120642j:plain

 

その後、劇場の中に入ります。客席数わずか40席ほどの小さな劇場です。上映前に佐々部監督と升毅さんの舞台挨拶がありました。上映前の挨拶ということで映画の内容にはあまり触れられないのがちょっと残念でした。それでも、この映画は大手の映画会社には地味だし中高年が主人公では商売にならないと断られたものの、映画の舞台の山口の方々に出資してもらって完成したこと、去年の10月に公開して1年後の今でもこうしてどこかで上映され続けていることなどを紹介してくれました。その中で、この挨拶中に写真を撮っても良く、皆さんに紹介してください、とのことでしたので遠慮なく紹介したいと思います。

f:id:ScouseKats:20171014122748j:plain

 
映画のストーリーは、自身がガンに侵されたものの克服した男性が、アルツハイマー病にかかってしまった妻の八重子さんを献身的に介護するというもので、オールロケで撮られた作品はまるでドキュメンタリーかと思うようなものでした。主人公夫妻は2人とも学校の先生だったようで、発病後も教え子が慕って面倒を見てくれたり、旅行先での気遣いなどがあったりしましたが、何より大変な苦労はあったのでしょうが升毅さん演じる主人公がとても優しく奥さんに接しているのが印象的でした。だんたんと赤ちゃんに戻っていくような八重子さんの姿を見るのはつらいですが、大好きな歌を聴くと一緒にハミングするということがこの映画のタイトルの由来でした。
 
確かに地味な作品でしたが、丁寧に作られた映画で鑑賞中何度も涙が出てしまいました。映画を観終わった後で、やっぱり上映後に監督や升毅さんの話を聞きたかったと思いました。高齢化社会が進む地域でこの映画をオープニング作品に選んだことに意義を感じました。
 
実はこの劇場にはクラウドファンディングで少し出資をしたこともあり、今日は招待券で鑑賞したのでした。劇場の入り口の壁には自分の名前があるのも確認してきました。