彼女の人生は間違いじゃない

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震災後のいわきを舞台にした映画「彼女の人生は間違いじゃない」を瓜連のあまや座で見てきました。
こんな映画があるとは知らなかったのですが、上映後に映画について話すというイベントがあり、以前にもお会いした方が話すということで興味を持ったのです。
 
映画の方は、震災で母親を亡くした後に父親と一緒に仮設住宅に住む女性が主人公で、普段は市役所で働きながら週末は高速バスに乗って東京に行きデリヘル嬢のアルバイトもしているというお話です。そんな人が実際にいたのかどうかは知りませんが、福島県郡山市出身の監督は、福島の浜通りの各地の状況をいろいろ取り込んでストーリーを作ったようです。主な舞台はいわき市ですが、広野町富岡町浪江町などでもロケをしたようで、僕もどこかで見たことがあるような風景がありました。
主人公の周りの登場人物も、もともとは農業をやっていたけど補償金でパチンコばかりしている父親とか、東京から来た人に震災のことをあれこれ聞かれて鬱憤がたまっていく市役所の職員とか、さまざまな思いを持つ人たちが出てきました。
ドキュメンタリーではなかなか突っ込めない話も、ドラマであれば描くことができます。フィクションだからこそできた映画なのかもしれません。でもあまりはっきりとした結論を出すわけでもなく終わった映画は、どう生きていくかは人それぞれ、そんなに簡単なものじゃないということを表しているのかもしれません。ただ、映画のタイトルが物語っているように、だからと言って間違っているわけじゃないと、最後は前向きな気持ちになります。
 
映画の上映後には、震災後の水戸で映画の上映会活動などを行っている310+1CINEMA PROJECTの寺門さんと、いわき市でボランティアセンターの運営を行っていたり、今は水戸で福島からの避難者支援の活動を行っている天井さんのトークがありました。映画を見終わった観客も交えてのフリートークでは、見終わったばかりの映画の感想を言い合ったり、監督の意図などを想像したりしました。他の人の意見は、一人で見たのでは考えなかったようなものだったので、こう言った上映後の語り合いというのもなかなか面白いものだと思いました。