第5回みとびと、ホームムービング!8ミリフィルム鑑賞会

f:id:ScouseKats:20190414161056j:plain

f:id:ScouseKats:20190414143423j:plain

f:id:ScouseKats:20190414150650j:plain

水戸に住む人々からちょっと昔の水戸の様子を聞く会、今回は水戸芸術館を会場に、泉町でシャトレーヌ美容院を経営する川嵜つやこさんをゲストに開催されました。
川嵜さんはかつて天王町に数多く存在した芸妓さんたちの髪を長年結ってきた方です。文字でしか読んだことのなかった水戸の花街の様子を私たちに聞かせてくれました。
 
芸妓さん(お姐さん)たちは毎日朝早くから髪を結いに来たこと、御座敷は夕方から夜にかけてだけど昼間は芸事の稽古があるので髪を結うのは朝しか時間がないこと、お姐さんたちから厳しいことを言われて一度は水戸を離れたこと、だけどやっぱり戻ってきたことなどなど貴重なお話を聞くことができました。
 
資料として昭和38年(1958年)の天王町の地図をいただきました。すっかり変わってしまった場所が多いですが、今でも名前が残るところもあります。芸妓のいる置屋、御座敷を貸す待合、そして料理屋の三業組合の建物(見番)もあったそうですが、東日本大震災でダメージを受けて取り壊されたそうです。今も水戸に残る現役の芸妓さんは数名ほどだとか。先日明利酒類の蔵開きで見た芸者衆は保存会の方々によるものだったようです。
 
今の天王町はすっかり様変わりしてしまって、足を踏み入れるのに若干勇気がいる場所になってしまっていますが、そういえば街歩きの際に雰囲気のある建物がいくつか目につきましたが、御座敷の跡だったのですね。もらった地図を手にまた街歩きをしたくなりました。
 

f:id:ScouseKats:20190414174740j:plain

続いては1月にも同時開催したホームムービング。今回はGHQとして水戸にやってきてその後も水戸に残り生涯を終えたケニーフロスト氏が残したフィルムを鑑賞しました。ケニーさんの奥さんは水戸の泉町でプリンス美容室を経営していたシゲ子さんで、フィルムには昭和30年前後の水戸の様子が映っていました。8ミリフィルムには音声がないのと、フィルムのみが残されているので何を写したのかは見る人が想像するしかありません。それを参加者で思い思いの感想を口にしながら鑑賞するのはとても興味深いです。
 
僕は水戸在住ではないのと生まれるよりもだいぶ前の風景なので、他の水戸市民の方々に比べたら映像を見ても懐かしいというよりは新鮮な気持ちになるのですが、美容院のコンテストか何かの光景を写したフィルムを見ているとき、これはオードリーヘップバーンの髪型を真似したサブリナカットではないか、と思いました。ヘップバーンの「麗しのサブリナ」は1959年、昭和29年の公開の映画です。日本人の間で流行するのはそれより少し後でしょうから、時代的には昭和30年代前半なのかもしれません。
 
ここまでは8ミリフィルムをデジタル化した映像を見ていたのですが、最後は8ミリフィルムをそのまま映写機にかけたものを鑑賞しました。
 
帰りにはプリンス美容室の場所を訪れて、フィルムにも写っていた木立を眺めてきました。今日はとても貴重な体験でした。

f:id:ScouseKats:20190414180733j:plain