T家の転回

現代美術のアーティスト持田敦子さんの作品で、民家の中心部分が360度回転する作品を見てきました。
もともとは持田さんのお祖母さんが住んでいた家とのことですが、それを現代アートの作品にしたものです。
 
一見普通の家に見えますが、人力で回転していくと本来は家の中にある廊下や居間が外に剥き出しになります。逆に外側の窓が家の中に取り込まれます。自分がいるところが家の外なのか中なのかわからなくなってくる不思議な感覚が生まれます。そしてそれはここに住んでいたお祖母さんの歴史が外部の人(一般の鑑賞者)にもさらけ出されることでもある、と作者は語っていました。
 
単純に家の中が回転するのを見ているだけでも面白いのですが、そこに住んでいた人、さらには鑑賞者の意識も回転させる興味深い作品でした。
 
これは普通の状態。

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家の中に丸く切り欠きが入っています。

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少し転回した状態。

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廊下が外に向かって飛び出していきます。

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居間が縁側のようになっています。

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 こちらが作者の持田敦子さん。

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動かしているところを動画でもどうぞ。いっぺんに360度転回させないで、あえて少しずつ動かしては止めています。それにより思いがけない展開が広がります。


T家の転回 The Revolving House of T. 6/5/2019

 

作品の紹介はこちら。

atsukomochida.jp

 
ところで僕は以前(2008年12月)リバプールに旅行に行った時に、使われなくなったビルの外壁の一部が回転するアート作品を見たことがあります。最初に持田さんの作品のことを知った時、このリバプールの作品のことを思い出しました。リバプールの方は自動で動いていましたが、持田さんのは人力による回転でした。以下の写真は僕が実際に見てきた時に撮ったものですが、動画は撮っていなかったようなので動くところはリンク先を参考にしてみてください。
持田さんにもその話をしたところ、当然ご存知でした。やはり関連性の問い合わせが多くあるようです。