昨日は暗くなってから呉に着き、友人に連れられて飲み歩いたので全然方向感覚がありませんでしたが、泊まったホテルは呉駅の近くで、ホテルの部屋は山側に面した部屋でしたが、朝になって廊下の窓から海側を見ると造船所の大きな船が見えて興奮したのでした。ちなみに泊まったホテルはビューポートくれホテルという名前でしたが、またの名を呉海員会館というらしく、船員証を持っていると割引になるとか、いかにも船の街呉らしいホテルでした。
今日はお正月休みの最終日なのであまり遅くならないうちに帰るつもりで、昨日に引き続き行われるロボッツの試合の応援はしない予定でした。ところが帰りの新幹線は満席が多く、新大阪からのグリーン車がやっと取れただけでした。その新幹線だとロボッツの試合が終わってからでも間に合う時間でしたが、呉に来る機会はそうないだろうと思い、午前中は呉観光し、昼過ぎにJR呉線に乗って三原まで行き、福山から新幹線に乗ることにしました。
今日も昨晩に引き続き呉の友人が付き合ってくれました。あまり時間がないのでどこか一か所と思って行ったのは呉駅近くの大和ミュージアム。ホテルをチェックアウトして呉駅に荷物を預けて行ってきました。
大和ミュージアムは正式には呉市海事歴史博物館というようですが、開国と共に日本の海を守る鎮守府の一つが呉に置かれたことから海軍の街として発展が始まった街、呉。それから史上最大の戦艦大和を造りそして太平洋戦争末期に沖縄に向かう途中で米軍の攻撃に沈むまでの呉の歴史を学びました。それ以外にも戦後の臨海工業都市としての展示もありましたが、2時間弱の滞在ではそれぞれの展示をじっくり見るだけの時間は取れませんでした。しかし、友人のお母さんが女学校時代の写真で展示されているとか、親戚のおじさんの弟が大和の乗組員として名前が書いてあるとか、さらにはお父さんも人間魚雷の回天で出撃することになっていたのが終戦で生き延びたと言った話を回天の実物展示の前で聞かせてくれて、呉に住む人たちのそれぞれにも歴史に深く関わっているのだという思いを強く感じました。
大和ミュージアムの見学だけでお昼過ぎになったので呉駅に戻り、乗る予定の電車の時間も近くなったので軽くうどんを食べて友人と別れました。
ここからはJR呉線の旅です。昨日の夜に広島から呉まで乗った時は外は真っ暗で何も見えませんでしたが、今日は昼間で天気も良く、海の中に浮かぶ牡蠣棚などを眺めながらのんびりと三原に向かっていました。ところが突然トンネルの中で電車が止まってしまいました。何事かと思っていたら、電車がシカと接触したとのこと。ワンマン運転の運転手さんがどこかと連絡をとっていましたが、トンネルの中では携帯電話がつながらず一旦トンネルの外までゆっくりと電車を移動させて再び停止。ここはどこかと調べたら安芸津駅と吉名駅の間のようです。運転手さんが電車から外に出てタブレット端末を持ってテレビ電話で会話しながら一人で現場対応をしていましたが、待つこと約1時間。ふと窓の外を覗き見ると哀れなシカさんが横たわっているのが見えました。
この先の電車の乗り継ぎがやや心配になりましたが、1時間なら調整の範囲内です。とにかく今乗っている電車が三原駅に着くまでは焦っても仕方がありません。気を落ち着かせて再び車窓を見ると遠くに大きな橋が見えました。何かなと思って地図を見てみると大三島の名が!大三島には昔からの友達が移住してみかん農家をやっています。それとその大三島をモデルにしたという小川糸さんの小説「ライオンのおやつ」を広島に行くまでの電車の中で読んでいたのですが、こんなところから見えるとは思っていなかったのでびっくりしました。
新大阪駅からはグリーン車。福山駅からならともかく新大阪駅からだったらグリーン車に乗らなくてもいいのですが、帰省からのUターンラッシュで新大阪駅からのグリーン車しか空いていなかったのでやむを得ません。それでも明日からは仕事が始まるのでグリーン車で疲れを残さないようにするのもいいかと思います。
福山駅で乗り換えの途中で買った駅弁のたこめしを食べていろいろあった今回の広島旅行の思い出を振り返りながら帰途につきました。