大阪飲み歩き

大阪に出張で泊まることになったので、久しぶりに大阪で夜を過ごすことができた。そうなると行くところは太田和彦の居酒屋本に載っている居酒屋巡り。その本の中でも大阪で絶賛しているのが阿倍野の「明治屋」。ホテルが中崎町だったので、地下鉄谷町線阿倍野へ行ってみた。阿倍野地区は再開発が行われているが、路面電車の走る通り沿いの商店街はまだ残っている。「明治屋」は、そんな商店街の一角にあり、昭和13年から営業しているという。
中に入ると静かな店内で客はみんなカウンターで酒を飲んでいた。カウンターの中に酒樽が鎮座している渋い店内で、店員さんもなぜかあまり愛想がない。熱燗2本に、かつお、湯豆腐、きずしを頼む。きずしとは関西地方の呼び方で、関東では〆鯖のことだった。酒も料理も悪くはないけど、どうしてそんなに愛想のない店員さんなのだろうと、不思議に思う。よくわからないのでまた行ってみたいと思う。


次に向かったのは近鉄天王寺駅近くの「和源」。新しいビルの中の1階の店だけど、開店は昭和26年とのことでこちらも歴史があるお店のよう。でも再開発でビルの中に入ったのだろう。先ほどのお店とは打って変わって明るい店内に、調理場にも若い衆がたくさん働いているのが見える。こちらもなんだか少し落ち着いてきた。メニューにあったカツオのタタキはもうない、ということなので、もう一つのお勧めのよこわのたたきを食べる。酒も魚も和歌山のものが多いようで、酒は純米酒黒牛の熱燗。めざしも追加して食べた。


阿倍野はこの辺にして、ホテルに近い梅田に戻る。お初天神の近くに「門」というお店があるのだけど、ここは満席で入れなかったので、居酒屋巡りは一旦終わりにして、久しぶりにアイリッシュバー「The Temple Bar」に行こうと思ったが、記憶にある場所に行ってみると建物が無くなっていたので途方に暮れてしまった。でもアイリッシュフリークの間では有名なお店だったのできっと近くに移転しているはず、と思いネットで検索してみると、北新地に移転したとの情報を得た。でも住所から地図を検索しても出てこないので北新地をぐるぐる回り、やっと見つけることができた。中に入ると先客の1組が帰るところで、マスターと2人だけになってしまったので、ギネスを飲みながらマスターと話をする。2008年にこの場所に移転したとのことだった。店のレイアウトは変わったけど、雰囲気は前の店の記憶とあまり変わらないのがうれしかった。ここのギネスは、単位面積辺りの売り上げが日本一だそうで、たまにしか飲まないギネスだけど、そのせいかおいしかった。続けて、大好きなスコッチのグレンリベットを、北極の氷を入れたグラスで飲む。こちらも久しぶりに飲むのでおいしかった。

大阪には仕事でよく来るけど、最近は夜勤だったり日帰りだったりで飲みに行く機会が少なくなってしまった。でもやっぱり夜の街に飲みに行くのは楽しい。