仙台

普段は家から近いいわき市にボランティア活動に行っていたが、長い休みの間はちょっと遠出をして宮城県石巻市に行くことにした。
石巻にボランティア活動に行くのに茨城から移動してそのまま活動するのは遠いので、前日に仙台で泊まることにした。
仙台は初めてではないが、前に行ったのはいつだったかよく覚えていない。それに行ったとしてもそれは学生時代だったと思う。
その頃は今のように飲み歩きには興味が無かったので、飲みに行く街としては初めての仙台となる。

居酒屋巡りのバイブルである太田和彦の「居酒屋味酒覧」には仙台の居酒屋が4軒載っている。仙台には石巻の行きと帰りに1泊ずつするのですべて回ってみたいと思うが、心配なのはお盆の時期でお店も休みになっていないか、ということだった。ただわざわざ事前に電話したり予約したりするほどのつもりもなく、休みだったらどこか別のお店にふらりと入ればいいと考えているので問題はない。


今日は仙台までの移動だけなので家を昼頃に出る。常磐道のいわきジャンクションまではいつもの常磐道だ。ジャンクションからは磐越道。以前磐越道を通った時は片側1車線だったと思うが、今はちゃんと2車線になっていた。それはいいのだが、途中から雨になり、トンネルを抜けたとたんに前が見えないくらいの豪雨にあってしまい、慌ててスピードを落としてゆっくり走った。
阿武隈高原SAで昼食を食べた後は一気に仙台へ。予約したホテルは飲みに行くことを考えて国分町近くにした。


さて1軒目はどこにしようか。気になる居酒屋にはどの時間帯に行くのがよいのか。早い時間に入るとまだお店も仕込みの続きで慌ただしい。何軒か飲み歩いた後に入ると酔っぱらって味がよくわからなくなる。こだわりの酒飲みは少々面倒くさい。


ということで最初はホテルからも近い「一心」に行ってみることにした。

定禅寺通りを越えたビルの地下1階。入り口が3つあってびっくりしたがそれぞれ特徴があるらしい。宮城の地酒を飲めるのはどこか?一番左側の扉を開けて中に入った。

まだ早い時間のせいか先客はいない。カウンターの端を薦められる。
最初はやはりビールで行こう。エビスの生のお通しは豪華にマグロとホタテ、ボタン海老の刺身3点盛りだった。

日本酒は何にしようかといろいろ迷うが、4種類の酒が飲める、「宮城がんばれ きき比べセット」というのを頼んだ。
出てきたのは、栗駒山栗原市)、夢幻(加美町)、田林(加美町)、澤乃泉(登米町)の純米4種。

つまみに岩牡蠣とタコ刺しも追加して宮城を味わう。



最初は客が僕一人だったが少しずつ入ってくる。ひとりで飲んでいても悪くない居心地だったが、次の店にも行ってみたい。まだそれほど暗くならない時間に一心を後にした。

次は文化横丁の「源氏」を目指す。仙台で一番気になる店だった。


青葉通りを越えてすぐに文化横丁はあった。仙台には太平洋戦争が終わってすぐにこのような横丁がいくつもできたのだろう。仙台と言えば僕の大好きな北杜夫も学生時代を過ごした街だ。当時の雰囲気を想像しながら「源氏」を探した。
ところが、なんということだ、恐れていた通り「源氏」はお盆休みだった。

残念だったがまた仙台に来る理由ができた。


再び国分町の方に戻り、別の「居酒屋味酒覧」掲載店の「かん」に入る。ビルの2階にある店はちょっと小さいが、カウンターの席が開いていたのでカウンターに座り、「墨廼江」を飲む。ここもお通しが立派。

酒が進み、2杯目はお店のオリジナル「かん」。穴子の白焼きを注文し、最後はお客さんのお土産だという「勿来の関」。ここでいわきの酒を飲むのも何かの縁か。
常連さんと店主の会話を横で聞いたり、後から来て隣に座った2人連れの会話を漏れ聞いたりして一人で気楽に飲んだ。


翌朝は早朝に出発するのでこの辺でホテルに戻った。