福島 飯坂温泉、二本松

宮城のスコップ団の後、飯坂温泉の旅館に当日予約して泊まってきた。10月には日帰り入浴をしてきたけど、ゆっくりと宿泊してみたかった。
当日予約できたのは温泉街中心部からは少し離れている「旅館清山」。せっかくなので2食付きで予約。


チェックインして案内された部屋はなんと15畳もある部屋だった。広い部屋自体は悪くないけど、一人で過ごすには広すぎて寒い。まずは温泉に入ろう。
この旅館には露天風呂があった。小雨がぱらつく外は寒いけど、お湯はとても熱い。地獄と天国を両方味わう気分だが、お湯に入ってしまえば極楽。外に出た顔がひんやりするのものぼせなくてちょうどよい。

そして夕食。個人客ばかりが広間に集まってお膳の食事を食べるのはちょっと奇妙だが、気にしない。熱燗をつけてもらった。

夕食後は温泉街に居酒屋を求めてぶらぶらと散歩。しかし温泉街はかなりくたびれた印象。廃業した旅館も目立つ。数少ない居酒屋も食べて飲んで歌って、というタイプが多い。歌って、というのが余計なので入りたい店がなかなか見つからない。結局入ったのはお寿司屋さんの居酒屋。と言っても食事は済ませたので、いか納豆などをつまみに熱燗を1本飲んだ。

2軒目は洋風居酒屋で、ビールとウィスキー。客は僕一人だったのでマスターと話をした。


日曜の朝、朝食の後で再びお風呂に入る。内風呂に入ったがなんだか物足りなくてもう一度露天風呂に入る。夜に入ったときには暗くてわからなかったけど、明るい時間に入ると外が見えて気持ちがよい。

泊まった旅館もだいぶ年季が入っているがこれも風情。


福島市を後にして向かったのは二本松市。ほんとうの空を感じるために「智恵子抄」の智恵子の生家に行くことにした。

今日は福島県内の市町村対抗の福島駅伝が開催されていて、ちょうど智恵子の生家に着いた頃に選手が通るというので応援してきた。先頭を走るのはいわき市チーム。2位が郡山市チーム。どちらも縁のある街なのでどちらも応援した。

智恵子の生家に戻り、中を見学する。敷地内には記念館もある。記念館では久しぶりに高村光太郎の詩を読んだ。学生時代に詩集を読んだことを思い出した。福島の中通りに来るたびに、忘れていた郡山での学生時代の思い出がよみがえる。


智恵子生家の裏山には展望台があった。残念ながら安達太良山は雲に隠れて見えなかったが、しばし散策して、阿武隈川を眺め、空を見上げてほんとうの空を感じた。この空が目に見えない何かに汚染されているのかと思うと悲しくなる。


さて、お昼も過ぎたけどまだ食べていない。何を食べようかとネットで検索したら、浪江町の浪江焼きそばを出すお店がここ二本松にあるとの情報を見つけた。これは行ってみなくてはなるまい。そのお店は、二本松駅に近い二本松市民交流センターの中にある「杉乃屋」。二本松には浪江町の住民が多く避難しているとのこと。
浪江焼きそばがどんなものかは実はよく知らなかったのだが、極太面に豚バラ肉ともやしをソースで炒めたものとのこと。杉乃屋は焼きそば専門店ではなくてご飯ものやうどんなどを出す食堂だけど、お客さんのすべてが浪江焼きそばを注文していた。お店に入るのには順番待ちが必要だったが、肉を食べない僕はどうしようか迷った。迷った末に出した結論は、お店では天ぷらうどんを食べ、焼きそばは持ち帰りにしてもらう、だった。

焼きそばは家に帰ってから、肉を除いて食べた。麺はうどんみたいな感じで柔らかかったが、その分もやしがシャキシャキ感を出していた。

宮城に行くのは遠くて大変だけど、帰りにのんびりと寄り道しながら帰るというのであれば福島支援にもなる。これからも東北通いを続けようと思う。

この日の他の写真はこちら