南相馬 福興浜団

今日は福島の南相馬市で活動する福興浜団というグループの活動に参加する。
宮城のスコップ団とも多少関係あるみたいだけど、詳しいことはわからない。それはまあどっちでも構わないが、福島の置かれた状況はやはり放っておけないので、少しでも手伝いをしたいのと、現場の様子は現場で見てみたいという気持ちで初めて参加してみた。

福島の浜通りは当然僕の地元からは常磐道から国道6号で行くのが一番近いのだが、今はそのルートは通れない。カーナビでも当たり前のようにそのルートが出てくる。いわきから南相馬まで、どのルートで行くのがいいのか調べたが、結局磐越道の船引三春から国道349号で川俣町に行き、そこから県道12号で飯舘村を通ることになるらしい。それなら前泊として郡山に泊まることにしたのだった。

朝6時30分にホテルを出発。後から考えたら国道349号は水戸から始まってうちの近くも通っている道だった。
川俣町から進路を東に変えて阿武隈高地の山道を通る。道を通る車のほとんどが屋根に回転灯をつけたものになっていることが緊張感をもたらす。

約2時間後に集合場所の南相馬道の駅に着く。車を駐車場に止めて荷物の準備をしていると後ろから声をかけてくる人がいるので振り向くと、スコップ団で一緒にいた人だった。初めての場所で見知った顔に会うのは心強い。

9時過ぎに集合して簡単に今日の概要の説明を聞いた。まずは1時間ほど海岸の捜索活動。その後依頼された方の家で泥出し作業とのこと。向かったのは道の駅から南の方に15分くらい走ったところだろうか、福島第一原発から20キロ圏内で、つい最近まで警戒区域だったところ。捜索活動と聞いてちょっと気が重かったけど、原発事故直後には立ち入りが制限されてしまったのでまだ行方不明の方がいるのだろう。これが現実なのだからしっかりと受け止めたい。

その後は家の中の泥だし作業。床下に泥がたくさん溜まっている。この家より海側はすっかり更地になっていて建物が見当たらない。この家の辺りから地面が少し高くなっているため津波に流されずに済んだのだろう。家の中の片付けもやはり警戒区域だったせいでまだまだこれからの様子だった。これまで1年間、福島や宮城で片付けのお手伝いをしてきたが、また振り出しに戻るという感じがした。これも現実の光景。

夕方5時過ぎまでみっちり作業を行って、道の駅まで戻って解散となった。道の駅は国道6号線沿いにある。僕の家の近くを通るの道も6号線。つながっている隣人の為にまた来ようと思った。

帰り道、温泉施設に入って疲れを取った後、すっかり暗くなった山道を通り帰る。
途中の飯舘村を通るとき、試しに村役場の前で放射線量を測定してみると、これまで測定した中で一番高い値を示していた。朝に通った時は家に人がいるかどうかわからなかったが、夜に通るとどの家も明かりがついていない。この村からは住民がすべて避難していて残っている人はいないという厳しい現実をここでも目にしたのだった。


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2012年7月1日までの土日(延長の可能性有り)に活動を行うとのこと。


この日活動したのはこのあたり。

下の方に福島第一原発の名が見える。


海側にはこんな風景が広がっている。


すっかり泥だらけ。


福興浜団さんの軽トラ。夫婦軽トラになっていた。


この地にも国道6号線が走っている。


飯舘村役場前での放射線量。