根岸 鍵屋、根津 呼友

今日も徹夜明けで夜勤が休みになったので飲みに行く。今週はなんだかんだ言って一日おきに飲みに行っている気がするが、たまにはいいか。
さて今晩向かったのは鶯谷。東京の居酒屋の中でもずっと気になっていていつ行こうかと思っていた根岸の「鍵屋」についに行くことにした。鍵屋はなにしろ、江戸時代創業の居酒屋で、今の店の前の建物は江戸東京たてもの園というところに保存されているし、今の建物も大正時代のものだという、時代劇に出てくるような居酒屋だという。時代小説を読んで出てくる居酒屋に入るような雰囲気が味わえると思うとワクワクする。

大通りから一本裏に入った住宅街のようなところにその居酒屋があった。

外観からもその雰囲気が伝わる。小さな店なので果たして席が空いているだろうかとドキドキしながら扉を開けると、カウンターの席に案内された。よかった。カウンターのすぐ後ろにある小上がりでは外国人を含むグループがいた。こんな居酒屋で飲むのも日本でのいい思い出になるだろう。

さてとこの店では当然日本酒を飲みたいがその前に喉を潤したくてビールを小瓶でもらう。するとあまり得意ではないスーパードライだった。大瓶だとサッポロになるようだが、今日はビールは少しでよいので仕方がない。

ビールを飲みながら何を食べようか考える。メニューは木の板に手書きで書かれたものだ。渋い。

まずは味噌おでん。

そして日本酒熱燗。銘柄は3種類で、櫻正宗、菊正宗、大関。その中から辛口でというと菊正宗か大関になり、大関にした。目の前の燗付け器も渋い。


食べ物は次に湯どうふ。


作りものではない本物の古い建物の中で味わい酒は酔い雰囲気だ。惜しむらくは日本酒がポピュラー酒のみだということ。純米酒を飲めたら最高なのだが。次はビールを大瓶にして少し酔ってから日本酒にした方がいいかな?

つまみは小品ばかりではあるものの、滋味のありそうなものが並び、もう少し飲んで食べたいところだったが、今日はこの後もう一軒はしごするつもりでいたので、後に残るといけないのでここで会計とした。


次に向かったのは根津。根岸からは鉄道だと遠回りしなくてはいけないが、タクシーで行くほど遠くもないので歩いていく。
途中で谷中を通るこの辺りがいわゆる谷根千だな。先ほどの鍵屋は根岸だったけど、谷根千の根は根津の根だ。田舎ものにはちょっと紛らわしい。途中には落ち着いた店が何軒もあっていい雰囲気。

根津の居酒屋は「呼友」。ここを訪れるのは、もちろん「居酒屋味酒覧」に載っているからなのだが、通りから入ったところにその店はあり、よくこういう店が紹介されるなと思う。

先ほどの鍵屋は歴史を感じさせる店だったけど、こちらの店は一転してモダンな雰囲気。酒は岩手のあづまみね。

つまみは天日干し本ししゃも。

この店の紹介文で惹かれたのが、トイレに飾られる猫の写真という記述。それを楽しみにトイレに入るとなるほどありました。

酒はもう一つ、東北の酒をと思ってメニューにあったのが墨廼江。先日も飲んだ宮城の酒だ。

つまみというか、ラストオーダーということでまだお腹が空いていたのですご飯ものでかに梅しそ焼き飯を注文した。

最近は2軒も回ればだいぶいい気持ちになる。以前に比べたらだいぶペースが落ちた。その分無駄な酒は飲みたくないのでお店選びには慎重にならざるを得ない。今回の東京出張中に訪れた店はどれも外れなし。これもこれらの居酒屋指南本のおかげだ。とても頼りになる。

太田和彦の居酒屋味酒覧―精選173

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東京飲み歩き手帳

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