椎名誠 作家デビュー35周年記念イベント

東京高輪のモンベルで行われた椎名誠さんの作家デビュー35周年記念イベントに行ってきました。
第1部がトークショー、第2部がパーティーということで、どちらも有料でしたがこんな機会は滅多にないと思い両方に申し込みました。

トークショーは、椎名さんの作家デビュー作である「さらば国分寺書店のオババ」の編集者星山佳須也さんと、椎名さんの友人で本の雑誌社の元社長の目黒孝二さんがゲストでした。開場時間に行ってみるとすでに椎名さんがいて、即席のサイン会が開かれていました。発売されたばかりの新書「ぼくは眠れない」を会場で買い、それから持参してきた「さらば国分寺書店のオババ」も出して両方にサインを書いてもらいました。


「さらば国分寺書店のオババ」の発行が1979年11月16日なので、ちょうど今日が作家としての椎名さんの誕生日だということです(椎名さん自身の誕生日は別の日だそうです)。

椎名さんの著作としてはその前に2、3冊あるのですが、それは流通業界のライターとしての本なので、いわゆる作家としては「オババ」がデビュー作になるようです。

会場には椎名さんの全著作が並べられていたのですが、さすがにその流通業界の本は現物がないようで、コピー本が展示されていました。
僕が椎名さんの本に出会ったのは高校生のときに日立市立記念図書館でたまたま手に取った「日本最末端真実紀行」でした。その時はまだ椎名さんの名前は知らずに旅の本を手当り次第に読んでいるときでしたが、1985年くらいのことなので、今思えばまだデビューして6年くらいだから結構初期の頃から読んでいることになります。

椎名さんには以前、新宿で写真展があったときに初めてお会いしましたが、その時に一緒に撮ってもらった写真が会場の照明のせいで暗くてよく写っていませんでした。
今日の会場は明るいので、サインしてもらった本を手に改めて一緒に写真を撮ってもらいました。

トークショーの方は、事前の打ち合わせはしていない、と言いながら始まりましたが、目黒さんや星山さんが初めて椎名さんと会った時のエピソードを初めとして、本の雑誌を作った頃など、貴重な話しを聞かせてもらいました。すでに本に書かれていて読んだことがあるエピソードもありましたが、やはり本人の口から直接話を聞くと面白さも違います。

トークショーの時間が2時間とあったのでずっと3人で話すのかと思ったら、30分くらいで星山さんと目黒さんが退場してしまいました。次は秘蔵映像のコーナーでした。昔から地球上のいろんなところに行っていろんなテレビ番組で放送されたのを集めたもののようです。マゼラン海峡やアラスカ、桜蘭など本当にいろんなところに行ってたんですね。時折サントリービールのCM映像も挟まれていて、懐かしく思いました。

そして最後のコーナーが、最近の椎名さんの仲間である雑魚釣り隊の面々が出てきて活動紹介などをしてました。椎名さんの本でおなじみの名前が何人も出てきます。これまでは本で読んで想像するだけだった世界が、こうやって目の前に広がっているのは感激です。



そして第2部の会場であるモンベル地下のカフェレストランに移動すると、すでに飲み物が用意されていました。今日は飲み放題ということで、ここは当然ビールです。ハートランドの瓶ビールをいただきました。今回僕は一人でこのイベントに参加したのですが、近くにいた人たちと話をしましたが、当然皆さん椎名さんのファンなので、共通の話題で楽しめました。

正式な開始時間になって乾杯の挨拶は、椎名さんの初期の本でおなじみの高橋さんが行いました。

確か週刊ポストの編集者で「P高橋」というニックネームで知られています。ここでもまた伝説の人と会ったような気持ちになりました。新宿の居酒屋池林房の太田トクヤさんも来ていました。他にもきっとたくさん来ているのでしょう。一度帰ったと思った目黒さんも再び姿を見せていましたので、目黒さんとも写真を撮らせてもらいました。

そういえば今月初めには神保町で沢野ひとしさんとも会っているので、本の雑誌の名物企画「発作的座談会」の4人のうち3人にこの半月の間に会ったということに気がつきました。残る一人は弁護士の木村晋介さんですが、いつかはお目にかかりたいと思います。

パーティーではちょっとした企画もありました。椎名さんの著作を題材に、ビブリオバトルが開催されたのです。齋藤浩さんが「新宿遊牧民」、齋藤海仁さんが「からいはうまい」、近藤加津哉さんが「麦の道」を、それぞれ一人5分間で紹介していました。参加者はこの3人の中から、本の内容ではなく、どのプレゼンで本を読みたくなったか、を基準に投票することになりました。僕は2人の齋藤さんが印象に残ったのですが、浩さんはモンゴルの民族衣装を着て熱く語り、対照的に海仁さんは冷静にその本の魅力を語っていました。この2人のどちらに投票するか迷いましたが、冷静なのにだんだんと話しに引き込まれて行った不思議な魅力の海仁さんの方に投票しました。

しばらくして投票結果が発表されましたが、1位は浩さんでした。ちなみに2位と3位は同数だったそうです。やはり椎名本はどれも面白い、という結果の証明なのでしょう。


その合間にもやはり椎名さんは大人気で、再びサイン会の開催です。僕はすでにサインはもらっていたので、今度は椎名さんとビールを乾杯しあうところを写真に撮ってもらいました。

椎名さんと乾杯できるなんて夢のようです。ちなみに最後の頃にはお店のハートランドが品切れになってしまったそうです。みんなビール好きなんですねえ。

あっという間にお開きの時間になってしまいました。最後は椎名さんが出口で見送ってくれて、握手をしてくれました。今日は久しぶりに椎名さんの声を聞いて、若干語り口がゆっくりになってきたのかなあと少し気になりましたが、これからも本を楽しみにしています。

ぼくは眠れない (新潮新書)

ぼくは眠れない (新潮新書)

新宿遊牧民

新宿遊牧民

からいはうまい (小学館文庫)

からいはうまい (小学館文庫)

麦の道 (集英社文庫)

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