磯蔵酒造の「ちょっ蔵 新酒を祝う会」十周年記念の落語会が笠間の西念寺でありました。
新酒を祝う会では毎年寄席が開かれているのですが、今回は十周年記念なので祝う会とは別の日に落語会が設けられました。
新酒を祝う会での落語会は、かつて磯蔵酒造で落語会を開いた立川談志の紹介により、酒好きの落語家ということで談四楼師匠に声がかかったのが最初だそうです。僕も毎年談四楼師匠の落語を聴いてます。
今日の落語会では、弟子の立川只四楼と寸志、色物としてナオユキも登場しました。
マクラで現代の話をしながら途中でスーッと江戸時代の話に入るのが聴いていて心地よいです。落語はビジュアルとしてはとても地味です。小道具も扇子と手拭いしかありません。でも噺家の言葉と身振りだけで物語の世界に引き込まれていきます。基本的には可笑しい話が中心なのですが、「一文笛」は人情話で涙を誘うものでした。
いつもの祝う会の寄席と違ったのは会場だけではなく、ナオユキの漫談があることでした。東京の寄席に行くと落語だけでなく立って芸を披露するスタンダップコメディなどもあるので、その雰囲気をこの笠間でも、ということで談四楼師匠が連れてきてくれたナオユキでしがが、最初はどんな人なのかわかりませんでした。くたびれたスーツを着た関西弁のおっさん風でしたが、酒を飲んでいないのにまるで酔っているかのような動きで酒場のあるある話を繰り返し語る芸風に大笑いでした。
落語会が終わると、少し時間をおいて磯蔵酒造で第二部があります。第二部というのは「談四楼師匠と一杯やる会」で、いつもは落語会が終わるとそのまま帰ってしまう談四楼師匠ですが、今日は一緒に酒が飲めるというのです。落語はもちろんですがこちらも楽しみでした。私服に着替えた談四楼師匠と、弟子の只四楼、寸志も加わり、約30人での宴会が始まりました。酒はもちろん売るほどある稲里です。しぼったまんまの純米酒「山」、新酒を祝う会十周年記念酒、そして山田錦の大吟醸が酒席に用意されました。
談四楼師匠は順番に各席に回ってくるということでそれまでは同席になった人たちと、蔵人たち、お弟子さんも含めて会話を楽しみました。同席の人たちとは今日初めて会う方でしたが、みんな磯蔵の酒が好きで集まっています。すぐに気が合いました。
会の終盤になってやっと談四楼師匠がやってきて一緒に話をします。今まで落語のエッセイ本などを読んでいると地方の落語会に行った時は地元の人たちと酒を飲むということがよく描かれていましたが、そういう場に初めて出席できて嬉しかったです。
最後は談四楼師匠に今日買った本にサインをしてもらったり一緒に写真を撮ったりしました。
これは蔵主とも一緒の写真です。こういったイベントを開いてくれて感謝です。