ぶらぶら千葉旅 2日目

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泊まった宿では、そういえば最後まで名前も聞かれず、宿帳のようなものに書くでもなく終わりました。部屋にタオルはなく、風呂場にあったタオルで体を拭いたりするような不思議な宿でしたが、「男はつらいよ」で寅さんが泊まるのもこんな宿だよなあ、と思うとまんざらでもありません。こういう予約なしの飛び込み宿は、以前にも富山の高岡だったかでやったような気がします。当時の具体的な旅の記録は残していませんでしたが、宿が決まるまでの緊張感を久しぶりに味わいました。今回は最悪は電車で東京方面に行ってしまえばなんとかなるだろう、という最後の手段がありましたが。
そういえば初めての海外旅行でイギリスLiverpoolに行った時も、予約しないで行って街に着いてから案内所で探した宿に泊まったものでした。
 
行ってみたい居酒屋もありましたが、勝浦に泊まろうと思った理由がもう一つありました。それは朝市です。なんでも日本三大朝市に数えられるとか。宿に泊まる時、朝食はどうしますか?と聞かれましたが、朝市で何か食べようと思っていたので素泊まりにしました。
 
朝市会場は宿からもすぐ近くです。

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港で上がった海産物だけでなく、山のものなども売られています。すぐに食べられるものは何かないかと思っていると、さんが汁がありました。これは昨日も食べたなめろうを火に通したものです。それから、串焼きのお店ではカツオの赤身を、パン屋さんではカツオのカツサンドを買いました。このカツサンドが見た目以上にボリュームがあり、たちまちお腹いっぱいになってしまいました。

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勝浦の名物料理にはもう一つ、タンタン麺があるのですが、これはひき肉が入っているので僕には食べられません。でも朝市会場の通りにタンタン麺で有名なお店があるらしく、行列ができていました。
 
朝市会場近くの高台には遠見岬神社があります。楽しい旅ができますように、美味しいお酒が飲めますようにとお参りしました。参道の途中からは勝浦の街が一望できました。

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お土産にカツオの角煮を買った後で電車に乗り3駅で昨日通り過ぎた大原に到着。大原からはいすみ鉄道に乗ります。乗り換え時間が数分しかなく、昨日の銚子電鉄と同じように混雑した乗り場ではきっぷを買う時間もなく、そのまま列車に飛び乗りました。

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車内では観光で来た乗客向けのアナウンスもあったりして和ませてくれます。乗った列車は途中の大多喜止まりです。今回の旅ではあまり下調べはしていませんでしたが、大多喜にはお城があったことを思い出して途中下車です。大原駅で乗るときに、きっぷは車内でも買えるとのアナウンスがありましたが、車掌さんが車内を巡回するわけではなかったので降りるときに車掌さんにお金を払おうとしました。でも、僕が買おうとした、いすみ鉄道小湊鉄道を通しで乗ることができるきっぷは駅で買うようにと言われましたので、そのまま降りて駅の窓口できっぷを買いました。
 
大多喜城は、去年見たNHK大河ドラマ真田丸」にも出てきて印象に残った徳川家康の家臣、本多忠勝が治めた城です。いまだに真田丸本多忠勝を演じた藤岡弘、さんの姿が目に浮かびます。昔はお城見学は特に興味がありませんでしたが、最近は日本の歴史にも興味を持つようになりました。ただしこの大多喜城天守閣の形をした博物館で、入場料は200円。内部は普通の建物と同じ作りでした。

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大多喜城のすぐ下には大多喜高校があり、部活動を行う生徒さんたちがいました。校内には本多忠勝が掘ったと言われる井戸や、大多喜城内建造物唯一の遺構である薬医門があったので、そちらも見学してきました。校内ですれ違った高校生に「こんにちは」と挨拶されるのが清々しいです。校内にお城の唯一の遺構である薬医門がある、と言えば茨城の水戸一高も同じではないか、とも思いました。きっとこの大多喜高校も歴史のある伝統校なのでしょう。

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大多喜は江戸時代の城下町の街並みが残る小江戸としても有名のようです。次の列車までまだ時間があったので、城下町の様子を見て歩きました。国指定重要文化財登録有形文化財の建物だけでなく、一般の商店なども建物の外観を板張りにして街並みを揃えてありました。

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最初の予定ではこの辺でお昼を食べようかと思いましたが、朝食べたカツサンドがまだ残っている感じです。大多喜駅の中にあるいすみ鉄道グッズを売るお店で、スティックケーキや最中などを買ってそれを昼食としました。昨日は買えなかった銚子電鉄の濡れ煎餅も売られていたので、1枚購入しました。

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ほどなくしてやってきた2両編成の列車に乗って終点の上総中野駅まで行きます。
 

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これがいすみ鉄道小湊鉄道に通しで乗れる房総横断乗車券です。いすみ鉄道が片道720円、小湊鉄道が片道1,410円ですが、この房総横断乗車券は1,700円です。後戻りさえしなければ途中下車可能です。
 
いすみ鉄道はJR木原線を受け継いだ第三セクターの鉄道です。僕の地元にも第三セクターで運営するひたちなか海浜鉄道があるので興味があります。こちらのいすみ鉄道は、公募社長がいろいろアイディアを出しているユニークな会社で、特に車内で食事ができる列車を走らせているのには一度乗ってみたいと思っています。ときどき居酒屋列車も走らせるみたいで、どちらかというとこの居酒屋列車に興味がありますが。
 
上総中野駅では20分の接続で小湊鉄道に乗り換えです。上総中野駅は山の中のこじんまりとした無人駅でした。でもやってきた小湊鉄道ディーゼルカーながら4両編成で、大勢の乗客が降りていすみ鉄道に乗り換えていきました。

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小湊鉄道も観光列車を走らせていて、今日はトロッコ列車もあるようです。でも、当日券があるかどうかはわかりませんし、そろそろくたびれてきたのでこのまま真っ直ぐ五井まで行って、今回の旅は終わりにしようと思います。
 
帰り道は、五井から船橋船橋から東武線に乗って柏、柏から常磐線というルートでした。夕方になって宿が決まっていない旅、というのはとてもスリリングでしたが、30年ぶりに訪れたところ、初めて行ったところ、行き当たりばったりの旅にしてはいろいろ楽しめました。
 
 
最後に、今回乗った銚子電鉄いすみ鉄道も都会のラッシュ並みの混雑でした。これは大型連休中なので特別なのでしょうか。鉄道会社にとってはうれしいことなのでしょうが、のどかさを味わいたいわがままな乗客(僕のことです)にとっては期待と違う結果となりました。地元の利用客とたまにしか来ない旅行客ではニーズが全然違います。例えば乗り継ぎ時間にしても、地元客にとっては待ち時間が短いに越したことはありません。でも旅行客は乗り換え駅では一度外に出て駅舎を眺めたり、駅の中の様子を見たりしたいのである程度の時間があったほうがうれしいのです。その両方を満足させるのは難しいのでしょうが、乗客がいなくて赤字がかさみ廃止となっては元も子もありません。ともかく鉄道が存続できるように祈っています。