水戸芸術館で、山下麻衣さんと小林直人さんの2人によるユニットの展示が始まりました。
今回の展示は開幕前からワークショップなどに参加していたこともあり、会期中に何度も展示を見るかもと思い、初めて現代美術ギャラリーの年間パスを買いました。
今回は初日と土曜日の2日間訪れたので、その2日間を記録したいと思います。
ちなみに1日目は一通りざっと見て回り、2日目はアーティストトークのイベントで作家さんの解説を聞きながら回りました。
最初の展示室の作品は、ワークショップの初回の時に作家紹介として見せてもらった映像作品などでした。
これは「テレパシー」という作品で、2人が向かい合い、1人が書いた絵をもう1人に対して年で送り(テレパシー)、もう1人が伝わったものを絵に描いて、お互いに見せ合うというものです。1000回やって10回一致したということですが、これが確率が高いのか低いのかよくわかりませんが、成功した絵をパネルで展示し、失敗した絵が床の上に置いてあります。
こちらの作品はCOVID-19のゲノム情報を書き写しているものですが、その映像を写しているスクリーンがガーゼマスクなのが特徴的でした。
このように、映像と実物を並べて展示している作品が多かったです。
山下麻衣+小林直人の作品は初めて見るかと思ったのですが、以前、2015年に開かれた「カフェイン水戸R」にもいくつかのグループの一つとして展示されていたようでした。その時の作品が今回も展示されています。
山の彫刻とその山の写真ですが、実際にその山が見えるところに行き、薪にする木にその山の形を彫っていったそうです。絵で言えば写生を彫刻でもやってみたということです。写真は実際に2人で彫っている姿が映っています。
その他、アーティストトークでは全ての作品に対して、短いながらもそのコンセプトや制作方法などを聞かせてくれました。一人で見ただけでは気が付かなかった点が、説明を聞くとなるほどと思えるところが多くありました。やっぱり現代美術はただ見るだけではほんの一部しか見たことにならないのかもしれません。アーティストトークでは一つ一つの作品をじっくり見ることはできなかったので、やっぱりまた改めて見たくなりました。
こちらは2人が常に持ち歩いているアイディア帳の表紙を絵に描いたもの。
こちらの部屋では行動的な作品が並んでいました。
こちらの部屋では、愛犬や動物園の動物の動きを作品に活かしたもので、一種のハプニング系の作品と言えるかもしれません。こういう偶然性がある作品は僕の好みです。
こちらは蜃気楼で有名な富山県の黒部市の護岸に描いた大きな「m」の看板ですが、蜃気楼により「♾️」に見えることを狙った作品です。最初は本当に見えるかどうかわからなかったそうですが、うまくいけば見られたそうです。そしてこの作品は実際に今でも展示され、ライブカメラで見ることができるそうです。
mirage.yamashita-kobayashi.com
こちらはラウンジに展示されている作品なので、ギャラリーに入らなくても見ることができます。
アーティストトークの最後は、広場に「大」「丈」「夫」の三文字を花壇で作るもので、今回の展示に合わせて造る新作となります。
夕方からは花壇クラブの活動。広場の「大」「丈」「夫」の三文字の花壇のうち、今回は「大」の花壇を作ります。
ワークショップ室でお揃いの緑のエプロンをいただき、作家さんや芸術館のスタッフから要領を聞いてから、外に出ます。まずは花の種類ごとに花壇を区切るラインをすずらんテープで張っていきます。そしてすでに用意されている苗を持ってきて、以前植物公園で体験したことを思い出しながら花壇に植え替えます。
途中で雨が降ってきたので屋根の下に避難しながらでしたが、そのうち雨も止んできたので花壇作りを再開。今回は2日間で花壇を作るので、1日目は途中まででしたが一旦作業を終了しました。
そして2日目に前日の続きを行い、「大」の花壇が完成しました。
こちらは花を植える前の状態。
そして完成。
芸術館のシンボルタワーからこの花壇の全体像が見えるようですが、有料なので全部完成してから見てみようかなと思います。
花壇クラブではこの展示の招待券も何枚か頂いたので、年間パスを買わなくても良かったかもと一瞬思いましたが、この展示が終わっても別の展示で何度も使えるので、まあいいかなと思いました。