読了

ロブ ライアン「アンダードッグス」とカルロス ルイス サフォン「風の影」を読み終りました。イギリス旅行中に文庫本を何冊か持っていきましたが、あまり読み進めることはできず、日本に帰ってきてから読み終りました。

「アンダードッグス」は舞台がシアトルですが、主人公がベトナム戦争を経験していて、シアトルに残る捨てられた地下の街をさまよいつつベトナム戦争のトンネル部隊の悪夢がよみがえるという、閉所恐怖症の人にはちょっと辛そうな小説でした。それに捨てられた地下なのであまりきれいじゃない描写もたくさん出てくるのであまり気持ち良くはなかったです。ロブ ライアンは最初に呼んだ「暁への疾走」がヨーロッパを舞台にした冒険小説だったので期待したのですが、こちらは舞台がアメリカになってしまい、ちょっとがっかりでした。それでもめげずに次の「9ミリの挽歌」を読み始めたところです。

「風の影」の方は、舞台がスペインのバルセロナ。スペインに興味を持っているし、奇妙な本をめぐる話と聞いて読み出したのですが、時代はちょっとさかのぼって1954年を中心に、ある作家の人生と、その作品である本を手にした少年の2つの人生が折り重なるように話が進んでいきます。細かいバルセロナの街の様子が出てきたりして、僕は行ったことがありませんが、まるで自分もこの街に住んでいるような気がしてきました。もし一度でもバルセロナに行ったことがあればもっと情景が目に浮かぶかもと思いました。現代ミステリと思って読み始めましたが、舞台がヨーロッパの街であること、時代がちょっと古いということもあってちょっと重めの文体なので、なかなかすいすいとは読み進められませんでしたが、最後にこれまでの経緯が語り始められるとだんだんと頭の中がすっきりしてきました。