今日は夕食の時間だけツアーメンバーで一緒に食べることにして、それまでの時間は自由行動の日。
今回の旅行でLiverpoolの地図とパブガイドを持ってくるのを忘れてしまったが、持参したiPhoneが今回の旅行分から海外でもパケットフリーの契約になったので、地図の方はiPhoneを活用することにした。パブガイドの方はホテルの部屋から接続したインターネット経由で関連しそうな地図をダウンロードして、それと記憶に残っているパブの名前を頼りに飲み歩くことにした。
さて、今回はLiverpoolでは試合を見ること以外にはこれといって予定を決めていなかったが、最近耳にしたニュースで、リンゴスターが生まれた地域の再開発の計画が持ち上がって、生まれたときに住んでいた家が取り壊されそう、という話を思い出した。そうだ、リンゴの家に行ってみよう、と思った。早速地図を見てみると、ホテルからAnglican Cathedralまでの距離の約2倍くらいに見えた。どうせ時間はたっぷりあるので、それなら散歩がてら歩いて行ってみようと思った。
Liverpoolは今日もどんよりとしたイギリスらしい空模様で、Anglican Cathedralのすぐそばを通ってもCathedralの上の方は少しかすんで見えた。
途中、ずらりと立ち並んだテラスドハウスにイギリスらしさを感じて写真を撮りながら1時間近く歩くと、まずリンゴの最初のソロアルバムのジャケット写真にも登場したパブ、The Empressが目に入ってきた。ちょうどビートルズツアーのお客さんも近くに来ているらしく、ビートルズの写真がついたハードデイズナイトホテルの広告のあるタクシーがパブの前に止まっていた。そう、ここはリンゴゆかりのスポットが固まっている場所なのだ。
パブの周りは後で歩くとして、まずは生まれた時の家のあるMadryn Streetに行ってみた。なるほどこのあたりのテラスドハウスは住民が立ち退いていて窓が塞がれていて、誰も住んでいない。リンゴの家はこの通りの9番地。どこかと思って探したが、窓やドアを塞いでいる鉄板にたくさんの落書きが書かれているのですぐにわかった。やはりこの家の取り壊しを残念がっているのだろう。ジョンレノンやポールマッカートニーの育った家はナショナルトラストによって保存、管理されているが、これらは単にビートルズのメンバーが住んでいた家というだけでなく、一応1940年代の典型的な家、という名目で保存されている。リンゴのこの家も、ジョンやポールの家よりも少し下の階級の典型だろうが、その辺にありふれていて保存する理由としては弱いのだろう。
Madlyn StreetからThe EmpressのあるPark Streetを渡るとそこがすぐリンゴが移り住んだAdmiral Groveだ。こちらの家は、リンゴがビートルズのメンバーになりロンドンに出ていく前まで住んでいた家だ。有名になったリンゴが出かけるときに家の周りをファンが囲んでいる映像を見たことがあるがそれがこの家なのだろう。こちらの家は今でも住民が住んでいるが、世界中のビートルズファンが来るのできれいにしている。
The EmpressはAdmiral GroveがPark Streetに出るところに立っている。リンゴの母親が働いていたパブだ。子供の頃を思い出してこのパブをアルバムのジャケットにしたのだろう。今はまだお昼前なのでパブはまだ開いていないが、今度はこのパブに入ってビールを飲んでみたい。またここに来る理由ができた。
リンゴゆかりの地を歩いた後は市内に戻ろうと思ったが、同じ道を帰るのもつまらないので、マージー側の近くを通る電車で戻ることにした。Liverpoolの主な見所は市内の中心部に固まっているので、実はこれまで僕は市内を走る電車には乗ったことがなかった。乗った駅はBrunswick駅。窓口でCentralまでの片道切符を買おうと思ったが、最初に出てきたのが往復切符だった。往復の値段が1.45ポンドだったのに、片道だと1.35ポンドだったので驚いてしまった。
Liverpool Central駅はショッピングセンターの中に改札口がある感じ。駅のすぐそばに去年閉店した老舗デパート、Lewis'sがあった。閉店して入り口が閉まっているお店を見るのは寂しい。
それでもLiverpoolの街には新しいショッピングセンター、Liverpool Oneができて通りには買い物をする人がたくさん歩いている。
John Lennonの新しいモニュメントができたChavasse Parkに行き、Liverpool FCのオフィシャルショップを訪れた。ここではサポーターズクラブの仲間のために、自分たちの写真が載ったマッチデイプログラムを大量30冊購入した。これが重くて日本に無事に持ち帰ることができるだろうかと心配になったほどだった。
これがマッチデイプログラムに載った写真。ちょっと小さいけどとてもうれしい。
一旦ホテルに荷物を置きに戻り、今度はパブ巡りに再び街に出た。
最初に行ったのは、Dale StreetにあるShip And Mitre。ここはイギリスやヨーロッパ各地のビールが飲める店として有名なようだ。ビールフェアも毎月のように開催されていて、ビール好きがたくさん集まるのだろう。サンタクロースのような白ひげのおじさんのイラストが描かれたタップのRosey Noseyというビールを頼み、一緒にクリスプス、いわゆるポテトチップスを食べた。ここまで歩き回ってついお昼を食べないでしまったので、これが昼食の代わりか。パブの中は暖かく、いろんなビールがあるのでもう一杯飲みたくなってきたが、他にも行ってみたいパブがある。一杯だけで店を出た。
次に向かったのはCentral Stationの近くのThe Globeというパブ。ここはパブガイドにも載っているお勧めパブが3軒隣り合うように並んでいる地域だ。
ここでは以前飲んだことがあるビールが中心だったけど、ゲストエールであるDalesideというビールを飲んでみた。ゲストエールというのは、今週のお取り寄せビールみたいなものか。いつもある定番ビールではなくて、定期的に入れ替えられるビールなのでちょっと珍しいのが飲みたいときには注目だ。このパブでは、タップにLiverpoolの街のシンボルであるLiverbirdが描かれているのが楽しい。
一人で飲みながらパブの中の雰囲気を楽しんでいて写真などを撮っていたら、近くて飲んでいたおじさん4人組に、なんで写真なんて撮っているんだいと声をかけられた。そりゃあ僕はパブが大好きで、このパブの雰囲気が気に入ったからだ、と答えて、そのままどこから来たんだい、とかの会話になっていった。彼らは4人でいつもこのパブに集まって飲んでいるんだと言う。僕の飲んでいたビールが無くなりかけると、もう一杯どうだい、と言っておごってもらってしまった。イギリスの他の地域はあまり行ったことがないのでよくわからないけど、ついさっき会ったばかりなのにこんなにフレンドリーになれるところがLiverpoolの楽しいところだと思う。
一緒に写真を撮ろう、と言ったらこのノリなので、楽しくなる。
思わず時間が過ぎてしまったが、そろそろ夕食の集合時間が近づいてきた。再びホテルに戻り皆でLiverpool Oneに向かう。昼間歩いて目についたのがモダンブリティッシュで有名になったJamie Oliverのレストラン。ここにあるのはイタリアンのようだったけど、興味があったので入ってみたかったけど、しばらく待ち時間がかかるとのことだった。昼食を食べずにいてお腹がすいていたので待ちきれず、JamieはJamieでも、Liverpoolの選手であるJamie Carragherのお店に行くことにした。こちらのJamieのお店はLiverpoolに2店あって、Liverpool OneにあるCafe Sports Expressは2号店。1号店の方は以前行ったことがあるがこちらは今回が初めてだった。このお店もイタリアンが中心。イタリアンはどこでも人気メニューのようだ。
食事の後はLime StreetにあるThe Crown Hotelというパブ。ここは以前入ったことがあるパブだ。ビクトリア調の内装が美しく見ているだけで楽しくなるパブだ。
明日の予定を3人で話してこの日はこれでおしまいとなった。