ヂョン ヨンドゥ展「地上の道のように」

韓国の現代美術家、ヂョン ヨンドゥの展示を水戸芸術館で見てきました。


映像作品が中心ですが、体験型の展示が2つあるのが面白かったです。
そのうちの1つは、本物のタクシーが展示室内に置かれて、窓の外には夜の街の景色が流れるように映っています。そしてドアの外からはカメラがセットされて、運転席に座る人を撮影して、それが目の前の大きなスクリーンに映るようになっています。運転席で座る自分の姿はまるで映画「タクシードライバー」のロバートデニーロになったみたいです。

今回の展示は携帯電話での写真撮影が許可されているのですが、ギャラリーで監視しているフェイスさんもこの展示室では写真撮影係になってくれていました。


もう一つの体験型展示は、長い通路に置かれた瓦礫の山です。

普通に見るとただの瓦礫なのですが、貸し出されるゴーグルを装着してみるとまるで森の中を歩いているように見えるのです。目の前にあるものが見えず、逆に見えないものが見える、というのは不思議な体験でした。

他にはニューヨークの通りを撮影した写真を加工した映像作品や、水戸の街で撮影した映像作品など、視点を刺激する作品が面白かったです。ただ、時間が長い割には動きが少ない映像作品は長く見続けるのがつらかったです。映像作品の発表の難しいところです。


ヂョン・ヨンドゥ 地上の道のように
2014年11月8日[土]から2015年2月1日[日]まで
http://arttowermito.or.jp/gallery/gallery02.html?id=413