「海辺の鉄道の話」

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水戸芸術館で演劇を観てきました。
今回はひたちなか海浜鉄道湊線が舞台であり主人公の「海辺の鉄道の話」。ひたちなか海浜鉄道と演劇といえば、車内で芝居を演じるシアターキューブリックのローカル鉄道演劇「ひたちなか海浜鉄道スリーナイン」を思い浮かべますが、こちらはストーリーがひたちなか海浜鉄道で、演じられる場所は水戸芸術館ACM劇場です。少しややこしいです。
 
今日は5日間公演の千秋楽。他の日にはトークショーなどもあったのでその日を選んだほうがお得でしたが、チケットを購入した時にはまだその案内がなかったので仕方がありません。それと主演の俳優さんが途中で交代になってしまったのも多少不安材料でした。
 
劇場に入ると、勝田から阿字ヶ浦までの線路と駅名標などがすでに舞台の上にセットされています。演劇を観る時はこの、劇場に入った瞬間にセットを見て、これからどんな芝居が観られるのかを想像するのが楽しみです。
 
物語は茨城交通湊線が廃線の危機に瀕し、応援団ができ、第三セクターとして再出発するという、ひたちなか海浜鉄道の10年の歴史をつづるドキュメンタリーでした。主要な役は実在の人物がそのまま役名になっていましたが、本物と少し違うような、でも雰囲気が似ている、とか高校生の役は架空だけどありえそう、とか地元の話だけに多少こそばゆさも感じながらいちいち頷きながら引き込まれていきました。
 
東日本大震災時のダメージも当然出てきましたが、公営と民間が一緒になった第三セクターというだけではなく、地域住民もいる第4セクターだ、というキーワードが何度も出てきたように、会社の努力だけでなく地元の人たちによる熱意で乗り越え、地方ローカル線なのに延伸計画まで出ているというのはとても希望がある話です。
 
僕自身も、地元でありながら以前はほとんど利用したことのなかったひたちなか海浜鉄道でしたが、震災以降は意識して乗るようにしています。ぜひともひたち海浜公園までの延伸を実現させたいと思います。
 
そういえば、登場する女子高校生の役名が「みなみ」でした。「ひたちなか海浜鉄道スリーナイン」でも「美波(みなみ)」という役があったのでスリーナインの芝居も思い出しながら、何か繋がりがあるのかなと想像しながら観ていました。
 
 
終演後には、作・演出の詩森ろばさんをロビーで見つけて、地元を題材にして素敵な話を作ってくれたお礼を伝え、購入した台本にサインをしてもらいました。

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ロビーには他にも、劇中で実名で登場したひたちなか海浜鉄道の吉田社長や、ひたちなか市の本間市長の姿もありました。本間市長は普段はあまり目立ちませんが、ひたちなか海浜鉄道の発足には重要な役割を果たしたんだと、この劇を観て改めて思いました。
 
 

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