明治村浪漫麦酒、デンキブラン

犬山温泉を後にして、電車で一駅の犬山駅からバスに乗り換えて、今回の観光の目的地である明治村へ向かう。
今日は、少し雲が出て昨日よりは過ごしやすい天気になった。

明治村で一番見たかったのは、東京にあった帝国ホテル中央玄関だ。僕の出身大学の先生がフランクロイドライトの研究家で、そのせいもあってライトの建築には少し興味があった。それに北杜夫の小説「楡家の人びと」にも帝国ホテルの開業式典の様子が描かれていてとても印象に残っているので、ぜひとも見てみたかった。そういえばその開業式典の当日に関東大震災が起こり、周囲の建物が崩れ落ちる中、帝国ホテルだけは大した被害がなかったと「楡家の人びと」に書いてあった気がする。関東大震災といえば大正の出来事だ。それなのになぜ明治村にあるんだろうか、という疑問も湧いてきたけど、とにかく歴史的な建造物であることには間違いないので、こうして実物が残っていることに感謝しよう。

帝国ホテル玄関は明治村の一番奥にあるので、村内を走るバスに乗って一気に終点まで向かう。
これがその玄関。


中のロビーの売店にはやはり母校の先生の著書が置いてあった。

これは中から玄関の外を向いたところ。


帝国ホテルを後にして、あとは村内をぶらぶらと見学。

「川崎銀行本店」とは、茨城を基盤にした銀行だったらしい。展示物によると、今も水戸市内で東京三菱銀行の支店として営業している建物も、この川崎銀行だったそうだ。ずいぶん立派な建物だなと思っていたら、明治時代からあった建物だったとは。今もこの写真とほとんど変わらない外観だ。今度改めて水戸の建物を見てみようと思う。



ここで喉が渇いたし、お昼も近いしということで村内のレストラン「洋食屋浪漫亭」で昼食。エビフライと、この「明治村浪漫麦酒」を頼む。このビールは名古屋の盛田金しゃちビールというところで造っているもの。


またぶらぶら歩いて、今度は「汐留バー」というところで「デンキブラン」を飲む。


浅草で有名なブランデーベースのカクテルだけど、茨城の牛久にあるシャトーカミヤ(牛久シャトー)の神谷傳兵衛の考案したカクテルということで、茨城にもゆかりがあることになる。デンキブランだけでなく、病気になった時に飲んだワインに感激して、自分で「香竄(こうざん)葡萄酒」というワインを造ったり、この神谷傳兵衛という人はとてもバイタリティーあふれる人だったのだろう。


他にもいろいろな建物を見たけど、とても全部は回りきれない。最後に夏目漱石と森?外が住んでいた家を見た。この二人が同時に住んでいた訳ではなくて、時代を越えて同じ家に住んでいたというのがすごい。この家で夏目漱石は「吾輩は猫である」を書いたそうだ。だからここは猫の家だ。


それにしても明治村にはいろんな建物がある。ドラマのセットのようにも見えるけど、実際に明治の時代に実際に使われた建物ということで、時折、当時の空気感もそのまま現代に残っているような錯覚に陥った。乗物一日乗車券を買ったのにSLには乗り損ねてしまったので、また来てみるのも悪くはないと思う。


最後に写真をいくつか。



聖ザビエル天主堂



鉄道寮新橋工場に使われている、Liverpool産の鉄柱



漱石の部屋にあった額


明治村
http://www.meijimura.com/index.html

金しゃちビール
http://www.kinshachi.jp/default.asp

デンキブラン
http://www.kamiya-bar.com/02.html