奈良県の旅２日目はJR桜井線、今は万葉まほろば線という愛称が付いているようですが、その桜井線の畝傍（うねび）駅から３駅、三輪駅からの歩き旅です。仲間のうちの一人が「みわ」さんという名前なので駅を始めあちこちに「みわ」の名前がついているので大喜びでした。
ここは桜井市で、日本最古の神社と言われる大神（おおみわ）神社があります。古い神社は本殿がなく、三輪山の山自体が御神体となっています。さらにこの大神神社は酒造りの神さまでもあります。普段は神社やお寺に行ってもお参りはしない僕ですが、さすがにこの神社は酒好きとしてはお参りせずにはいられません。これからも美味しいお酒を飲めるように、と真面目に参拝しました。
さらに三輪山にも登ってきました。三輪山に登るにはまずは狭井（さい）神社で受付をします。白い衣装を着るのが本来のお参りの姿なのだそうですが、一般の人は代わりに「三輪山参拝証」の襷を首から下げます。入山前にお祓いをしていざ登拝です。スタート地点の狭井神社は標高８０メートルで、頂上は４６７．１メートル。それほど高くはありませんが、勾配がきつく普段歩いていない身体には堪えられませんでした。往復で約２時間、下りるときは膝が笑い、早くトイレに行きたい、ビールが飲みたい、お腹が空いたという気持ちでいっぱいになってしまいました。
無事に参拝を終えて下山したところでお昼ご飯です。三輪といえば三輪そうめんが有名とのこと。そのそうめんと、もちろんビールをいただきました。
お昼の後は少しペースを落として散策を続けます。神話の世界が広がる山の辺の道の一部を桧原神社まで歩きます。桧原神社の鳥居からは二上山が正面に見えました。名前の通りふたこぶの山の頂上には春分、秋分の日に夕日が沈むそうです。そんな場所に神社を建てる古代人のロマンを感じることができました。
次に行ったのは箸墓。宮内庁によって「大市墓」として第7代孝霊天皇皇女の倭迹迹日百襲姫命の墓に指定されていますが、それより気になるのはあの邪馬台国の女王卑弥呼の墓と言われていることです。ここもまた古代ロマンを感じます。
宿に戻ると今度は宿のご主人が近所の骨董屋さんに連れて行ってくれました。普段骨董屋さんに入ることはありませんが、何を見せてくれるのでしょうか？骨董屋さんが奥の部屋に案内してくれます。そこにあったのは屏風絵でした。パッと見ただけではその価値はよくわかりませんでしたが、骨董屋さんがいろいろ解説してくれたおかげで、これがどんなに珍しいものかがわかりました。屏風に描かれていたのは洛中洛外図で、京都の市街と郊外の様子を描いたものです。江戸時代に描かれたそうで、紀州藩が所有していたものが、明治維新の頃に何かの裁判に負けて賠償金を支払うために手放したものが回り回ってこの今井町にあるそうです。屏風のもう一対がアメリカのボストン美術館所蔵のものだそうです。そしてこの屏風絵が貴重なのは、朝鮮通信使が描かれていることとのこと。徳川の殿様が交代したときに朝鮮から使節が京都にやってきた光景を描いているもので、当時は日本と朝鮮が対等の関係だったことを示すものだそうです。そこから始まって日本人はどこからやってきたかなどどんどん話題が広がっていきます。興味深い話でしたが、時間もあるので遠慮させていただいて、せっかくなのでちょっとした買い物をしてお店を出ました。僕が買ったのは１００円の盃でした。
夕食の前の時間はそれぞれバラバラに過ごしました。スイーツを食べる組、昼寝をする組、銭湯に行く組に分かれて、僕は銭湯に行きました。宿にお風呂はありましたが家庭用のお風呂で少し狭かったのと、たまには銭湯に行ってみるのも面白いかと思ったのです。昔ながらの銭湯でしたが、先客が一人いたのみでその客もすぐに出て行ってしまったので、一人で貸切状態で入りました。風呂の種類は４種類あり、電気風呂、泡風呂、ジェット風呂そして普通の風呂とそれぞれ堪能して集合場所であるカフェに行きました。
夕食はこのcafe Hackberryで食べることにしました。ここはカフェだけでなく食事やアルコールも揃っているのです。おかげで酒好きもスイーツ好きも両方が楽しめました。僕は当然アルコール。バスペールエールやギネスをもう一人のメンバーと飲んでいたらどちらも本日の在庫が切れてしまったそうです。
料理も美味しく、メンバー全員で楽しい時間を過ごすことができました。あまりに気に入ったお店だったので、マスターとシェフと一緒に記念撮影までしてしまいました。
この３日間の写真はfacebookのアルバムに載せています。
