須藤玲子:NUNOの布づくり

水戸芸術館の現代美術展は、これまでに2度、2011年の「クワイエットアテンションズ」と2020年の森英恵展がそれぞれ東日本大震災、コロナの影響で展示を見ないうちに終了してしまったことがあるので、それ以来展示が始まってなるべく早い時期に行くようにしていたのですが、今回の展示は他の予定と重なることが多くて行く時間が取れず、このままだと会期終了間際のゴールデンウィークまで行けなくなりそうだったので、茨城ロボッツの試合の前に行くことにしました。

 

須藤玲子さんの名は初めて聞きましたが、茨城県出身で布に関する展示とのこと。あまり興味がない分野ということもすぐに展示を見に行かなかった理由の一つかもしれません。

 

でも実際に行ってみると、日本全国の布の縫い方を集めてパッチワークのようにした展示で、相撲の幕内や江戸幕府など、布を張り巡らした幕にまつわる言葉についての紹介があり、日本では古くから重要な意味で使われているということを改めて知りました。

 

展示されている作品は基本的には触ることはできないのですが、どうしても触りたくなるもの。2箇所ほど触れる展示があり、さまざまな布の種類とその手触りを感じることができたのはよかったです。

 

布の作り方を見せるコーナーでは、布地の上に映像を投射し、まるで実演しているような展示方法でした。

 

各地の布の生産の様子を映像で記録した布づくりの旅は、織機の複雑で精密な動きに目を見張りました。

 

見る前に思っていた以上に面白い展示で、映像作品ももう少し見ていたかったですが、茨城ロボッツの試合の入場開始時刻も近づいてきたので芸術館を後にしました。