「虚舟」、巨大バッタ

劇団キミトジャグジーの演劇「虚舟(うつろぶね)」を観てきました。会場はお馴染み稽古場「風」。

去年常陽資料館で展示を見た、茨城県に伝わる不思議な伝説「うつろ舟」をベースにした創作ストーリーです。

主役を演じる織笠裕美さんは、その虚舟に乗ってやってきた、どこからきたかわからない娘役なので、最初はどこの言葉かわからないような片言のセリフで始まりました。また、首藤大亮さんも頭ががらんどうのその名も「阿呆の乱道」という役なのでやはり独特な言葉遣いという不思議な出だしでした。

 

そして演者は7人ですが、シーンによって衣装を変えたり仮面をつけたりして別の登場人物を演じるので、何倍もの役者がいるように感じました。

 

この劇の舞台は浜辺で地震津波のシーンも出てくるなのですが、1月1日の能登半島地震を受けてラストシーンを書き換えたそうです。

 

去年からキミトジャグジーの演劇を続けて観てきましたが、これは結成18周年記念公演のシリーズでした。18周年というのは中途半端ですが、本当は15周年記念のはずだったのが、コロナ禍で延期になってこのタイミングになったそうです。年に1回くらいしか観られない劇団も多いのに、2、3ヶ月ごとに公演をやってくれたのは、演じる方は大変でしょうが、観る方は嬉しくなります。もうすっかりこの劇団のファンになりました。

 

演劇を観る前には水戸芸術館の中庭で行われた巨大バッタの修復公開プロジェクトを観てきました。去年9月にも公開していましたが、その時には立つことができなかったバッタの触覚が、今回の修復で見事に復活することができました。僕もクラウドファンディングで応援していたので、その瞬間を見ることができてうれしかったです。

 

このバッタを見ている間に、芸術館の関係者で親しくなった人たちに会ってお話しすることができたのですが、その後演劇を観に行くのに歩いて移動していたら別の知り合いにも会ったりしました。この週末は、いろんなところで思いがけずいろんな方と会うことができてとても楽しかったです。