紅茶館

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水戸南町の紅茶専門店「紅茶館」が明日で閉店するとのこと。以前泉町にあった頃は、芸術館の展示を見に行った後に紅茶館で紅茶を飲みながらカタログを読んだりして過ごしたものでした。
 
建物の解体に伴い南町に移転してからは少し足が遠のいてしまいましたが、コーヒーよりも紅茶好きな僕にとってはありがたいお店でした。
 
閉店のお知らせを聞いてから知ったのですが、オーナーの先崎さんは以前南町にあったツルヤブックセンターの2階で新宿高野の紅茶専門喫茶店の店長をしていて、その後独立して紅茶館を開いたとのことです。水戸の街中のいくつかのイベントは先崎さんが仕掛けたものもあったそう。間違いなく水戸の文化を担った一人でした。
 
最後の訪問と思い訪れると1階席は満席で、初めて2階席に案内されました。
 
最後の30、31日はロイヤルミルクティーが無料で振る舞われるとのことですが、それだけでは申し訳ないので、ケーキセットとして大子のりんごとサツマイモのケーキと一緒にいただきました。

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ちなみに閉店するのは営業不振というわけではなくオーナーの体調を考慮してとのこと。いずれにしてもお店が無くなって寂しくなります。

境港

今日は帰る日です。行きは飛行機を使いましたが、帰りの便は時間が早すぎるので帰り道はずっと鉄道にしました。松江からまっすぐ帰ってもいいのですが、ここまで来たついでに境港に寄って行くことにしました。松江から境港まで、鉄道だと米子経由になるのですがこれだと米子と境港を往復することになります。ところが実は松江と境港の間は路線バスが通っていて、米子経由よりもずっと早く境港に行くことができるのです。
 
松江駅9時25分発のバスに乗ると10時6分に境港に着きます。バスは中海沿いを通るのかと思ったら中海の中にある大根島を通ることを知り、さらに大根島から境港へはCMで有名になった「ベタ踏み坂」こと江島大橋を通ることを知りびっくりしました。慌てて座席の隙間から写真を撮りましたが、望遠で写真を撮ると前後が圧縮されて坂が強調されるのです。実際の坂はもちろんベタ踏みすることなく通れるかと思います。

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境港は「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげるさんの出身地で、今や街をあげて妖怪を推し出しています。

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境港駅から水木しげる記念館に至る道は「水木しげるロード」となり、通りには妖怪のブロンズ像があり商店には妖怪グッズ、お土産品が溢れかえっていました。僕はそこまで漫画好きではないので妖怪そのものには興味はありませんでしたが、NHKの朝ドラ「ゲゲゲの女房」で描かれたこともあり、作者である水木しげるさんそのものについては興味がありました。水木しげる記念館でも作品よりも水木しげるのことを展示しているコーナーを興味深く見学しました。

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ちなみに昨日出雲で買った本のうち一冊は水木しげる作の「水木しげるの古代出雲」という本でした。妖怪といい神話といい、鳥取、島根は何か幻想的な気配が漂っています。
 
記念館を出るとちょうどお昼時です。港付近を散策した後、今日こそは蟹を食べようと意気込んで入ったお店「かにじまん」で蟹ちらし丼をいただきました。

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食後のデザートに、目玉親父の形をした饅頭をいただきます。

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すると通りの向こうからねずみ男が歩いてきました。さすがに妖怪の街です。

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さてそろそろ帰る時間です。境港から米子までは境線ですが、この境線も妖怪推し。乗った列車には外も中もねずみ男が大きく描かれていました。

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 米子で今や貴重な381系の特急電車「やくも」に乗り岡山へ。

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「やくも」が途中で遅れたので岡山で乗り継ぎ予定の新幹線「のぞみ」に間に合うかヒヤヒヤしましたがなんとか間に合いました。「やくも」や「のぞみ」の車内では境港で買った地酒「千代むすび」と太いちくわ「のやき」、米子で買った蟹寿しなどを食べて今回の鳥取島根の味を最後まで味わいました。

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これが今回の旅のきっぷ。乗車券は最後は駅員さんに手元に残したいと頼んでいただいてきました。

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これで未踏県は長崎を残すのみとなりました。具体的な時期はまだ決めていませんが、他に通過しただけの県も幾つかあるので、また次の旅行を楽しみにしたいと思います。

出雲大社、松江

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朝起きて外からエンジン音が聞こえたので窓の外を見たところ、宍道湖に向かって舟が出て行くところが見えました。宍道湖の漁師さんのようです。そういえば朝ドラ「だんだん」では主人公のお父さんがしじみ漁師だったのでした。吉田栄作さんが演じていたのですが、あんなかっこいい漁師さんいないよねえ、という話を昨日どこかでしたような気がします。
 
今日はまずは松江駅から8時36分発の特急「スーパーまつかぜ1号」で出雲市に向かいます。松江から出雲市まで、当初は普通列車で行くつもりでしたが、出雲大社では10時にガイドツアーがあるということを知り、普通列車では時間に間に合わないので特急に乗ることにしました。

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車窓からは宍道湖が見えます。

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そういえば昨日乗った特急でもそうでしたが、こちらの方では車掌さんが車内アナウンスで沿線の観光案内もするようです。
出雲市には9時4分に着き、隣接する一畑電鉄に乗り換えます。

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川跡駅で乗り換えて9時40分に出雲大社前駅に着きました。
出雲大社駅は屋根がドーム型になっていて可愛い駅舎でした。

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神門通りの観光案内所「おもてなしステーション」でガイドツアーの申し込みを行い、10人ほどでツアー開始です。来る前に多少の知識は入れてきましたが、実物を目の前にしてガイドさんの口から謂れやら古事記の物語などを聞くと理解が進みます。
勢溜、下り山道、祓社、松の参道、手水舎、御本殿周辺、神楽殿と周って約1時間半、案内してもらいました。

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今まで神社やお寺に行ってもろくにお参りをしたことはありませんでしたが、日本の国造りの神様が祀ってある出雲大社に来たからにはきちんとお参りせずにはいられません。本殿にはツアーの途中でお参りしましたが、ツアーの解散後に御朱印帳も買って、初めての御朱印をいただきました。

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ちなみに出雲大社御朱印を頂く時の初穂料はお気持ちで、となっていました。初めてのことなので相場がわからず、1000円を出したところ、お釣りありますが、と言われたのをそのまま納めてきました。後で調べてみたら300円から500円が相場のようですね。だからお釣りと言ったのでしょう。

 

出雲大社の東隣にある古代出雲歴史博物館にも行ってみたいところですが、お昼の時間です。一度出雲大社を離れて、旧大社駅に行きました。

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かつて出雲市と大社間を結んでいたJR大社線は、すでに廃線になってしまいましたが、立派な駅舎は保存されています。現役の頃に来たかったなと思いつつ、駅舎内を見学しました。
 
昨日教えてもらったそば屋さん「大梶」では、昨日に引き続き割子そばをいただきました。こちらでは普通の割子そばのほかに3色割子そばというものがあったので、3色の方をいただきました。とろろいもやら卵が乗っているので3色だそうです。

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そばを食べた後、再び大社方面に戻ります。途中に大きな石造りの鳥居がありますが、これは大社駅ができてから新しく作った第一の鳥居です。大社の一番高いところまでの高さが24メートルで、この鳥居はそれに遠慮して23メートルの高さだとか。ちなみにこの先本殿までには第四の鳥居まであり、それぞれ材質が違います。第一がコンクリート、第二が木、第三が鉄、第四が銅です。

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一畑電鉄の大社前駅まで戻ってきたところで、少し疲れたこともありこのまま松江まで帰ろうかとも思いましたが、まだ時間は午後1時半です。先ほど行きかけた古代出雲歴史博物館に行ってみました。なお、この博物館はフラッシュを使わなければ写真撮影可能でした。

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入ってすぐの中央ロビーには、かつての出雲大社は今よりもずっと大きかったことを示す本殿の巨大柱の展示がありました。1本の直径が1メートルほどある木が3本、鉄輪で固められて1つの柱としていたそうです。

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館内にはその頃の出雲大社を模型で再現してありました。高さが今の倍の48メートルもあり、長い階段が印象に残ります。

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他には出雲地方で発見された大量の青銅器や太刀にも圧倒されました。

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茨城にも常陸国風土記があってこの博物館にも展示がありましたが、常陸国や他の風土記が部分的なものなのに比べ、出雲国風土記はもっとも完本に近い形で残されているのだそうです。
 
古代出雲や神話についてとても興味を持ったので、博物館で関連本を2冊買い、すっかり満足して一畑電鉄で松江に戻りました。
乗った電車が島根県のゆるきゃら「しまねっこ」が描かれた「ご縁電車しまねっこ号」でした。中にはハート型の吊り輪もありました。

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朝に乗ったJR山陰線は宍道湖の南側を通りましたが、一畑電鉄宍道湖の北側を通ります。今日は宍道湖の周りをぐるっと一周したことになります。

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JRの特急列車では松江から出雲市まで約30分でしたが、一畑電鉄出雲大社前から松江しんじ湖温泉まで、途中川跡で乗り換えますが約1時間かかりました。

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ホテルについて少し休憩した後、松江の夜の第二弾スタートです。堀川や大橋川の夕暮れが情緒を誘います。

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ちなみにこの写真に今回泊まったホテルが見えています。
 
今日のスタートは大橋川すぐそばの「おでん庄助」。川が見えるカウンター席に座り、おでんと瓶ビールを注文しました。おでんの具はせり、野菜巾着、厚揚げ。そういえば昨日の「やまいち」でもおでんがあり、春菊とせりもありました。松江はおでんの街でもあるようです。

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そういえば今回の旅では刺身を食べていないなとおもい、海すずきの昆布じめをいただきました。

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昨日行ったお店では見なかった宍道湖七珍の一つ、しらうおが天ぷらであったのでこれもいただきました。宍道湖の白魚は長いのが特徴だそうです。

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酒は隠岐の誉をお燗で。

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川が見えるカウンターは眺めは素晴らしいですが、お店の人と話す機会が持てなくて少し寂しく感じました。
 
松江の街は、昨日行った東本町あたりの他、駅に近い伊勢宮町が飲屋街のようです。今日はその伊勢宮町をふらついてみます。
「松江美人のおもてなし」の宣伝文句にひかれて「おとなの居酒屋 伝七」に入ってみました。

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女性2人のおもてなしを受けましたが、おかみさんというわけでもなさそう。酒は奥出雲の簸上正宗。なんて読むかわかりませんでしたが、「ひかみまさむね」という奥出雲の酒だそうです。

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料理は板さんが作って持ってきてくれるとのことで、刺身の魚がなんなのかよくわかりませんでした。

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松江では小泉八雲関連でアイルランドとのつながりがありそうです。事前の調査で松江にもアイリッシュパブがあることを知りましたが、それがこの伊勢宮町にありました。開店は夜8時と遅め。実は鳥取で入った「カナイチヤ」でギネスを頼んだ時、マスターから山陰で生のギネスが飲めるのはうちと松江だけ、と言っていました。その松江のお店がここ「St. James's Gate」 のことでしょう。店主はカナダ人のドゥシャン。先客のアメリカ人とアイスランド人とで英語で会話していましたが、僕に対しては流暢な日本語で話してくれました。英語での会話を聞いていると彼の奥さんが日本人のようです。

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カナダ人が日本でアイリッシュパブをやっている、というのがなんとも面白いです。店を出る時に一緒に写真を撮ってもらいました。

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松江の夜の最後は昨日も入ったバー「山小舎」。旅先でも同じ店に2日入れば常連気分(?)でジントニックを。

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そしてこれが松江で飲む最後の酒かと思い、松江をイメージしたカクテルをマスターに注文しました。すると出てきたのは、先代マスターのレシピだという黒松イメージのブランデーとグリーンティーのカクテル「松江」でした。

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そういえば太田和彦さんお勧めのもう1軒の居酒屋に今日こそは行こうとしましたが、今日も閉まっていました。閉店しているのでしょうかね?
 
松江では体調があまりよくなかったものの、楽しく飲み歩くことができました。また来てみたい街です。

松江

鳥取のホテルをチェックアウトした後、列車に乗るまで少し時間があったので、鳥取駅近くの「すなば珈琲」に行きました。鳥取にはスターバックス(スタバ)はないけど砂場(砂丘)ならある、ということでできたコーヒーショップだったと思います。僕はコーヒーを飲まないのであまり気にしていませんでしたが、どうせ時間が空いているので入ってみたのです。ここはモーニングも人気があるようですが、ホテルで朝食を食べたばっかりなので、紅茶を単品で飲みました。ちなみにスターバックスはその後鳥取にもできたようです。

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鳥取駅から9時44分発の特急「スーパーおき3号」新山口行きに乗ります。この列車は2両編成と短いですが、新山口まで約5時間も走る特急です。今の時代にこんな長距離、長時間を走る列車があるのですね。普段見慣れない列車なので、まるで外国の列車に乗るみたいな気分でした。

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今日の目的地である松江には11時8分に着く予定でしたが、線路トラブルか何かあったらしく、途中の安来で約10分、続く荒島でも約10分停車したので、松江には11時30分頃に到着しました。

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駅前の観光案内所で観光パンフレットや市内の地図などを入手し、ひとまず松江城方面に向かって歩き始めます。平日昼間とあってあまり街の中を歩いている人は見かけませんでした。松江城に着く前にお昼ご飯にします。せっかくなのでご当地ものと考えていましたが、このあたりは出雲そばが名物のようです。「上田そば」というこじんまりとしたお店に入りました。年末なのでメニューが限定されていました。寒いので温かいそばもいいですが、名物の割子そばがありましたのでそれを頼みます。

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3段に重ねられた丸い器(割子)と薬味が4種類。蕎麦猪口を使わずに割子に直接つゆをかけて食べるスタイルのようです。段ごとに薬味の組み合わせを変えながら、やや硬めのそばを味わうことができました。
 
そして松江城。現存する12天守の一つで、1611年築城の国宝です。天守の平面規模では2番目、高さは3番目、古さでは5番目だそうです。

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天守閣に登った後は、船で堀川めぐり。1周約50分ですが3箇所ある発着場で乗り降り自由とのことで、まずは大手前広場からふれあい広場まで乗ります。松江は以前NHKの朝ドラ「だんだん」の舞台で、ストーリーはぐだぐだでしたが松江の風景は印象に残っています。主人公の祖母がこの堀川めぐりの船頭さんだったと記憶しています。なので、おばさんが船頭をしているイメージがあったのですが、実際の船頭さんは男性の方でした。冬だと風が冷たいですが、こたつがあるのであったまります。

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ふれあい広場には松江堀川地ビール館があります。松江のビールはビアへるん。松江ゆかりの小泉八雲の愛称「へるん先生」にちなんだ名前で、以前通信販売で全国の地ビールを取り寄せていた時に飲んだ記憶があります。そのビールがここで作られているのでした。1階のカウンターで買って外で飲むのもいいでしょうが、外は寒いので2階のレストランで座って飲みます。お昼時間も過ぎているので他のお客さんが誰もいない店内で、3種類の地ビールお試しセットを飲みました。

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ふれあい広場から再び堀川めぐりの船に乗ります。この船の面白いのは、堀川に架かる橋の下を通る時、幾つかの橋は低いので屋根が下がるのです。乗り始めにまずは下がる屋根の下に頭をさげる練習までしますが、実際に低い橋の下を通る時はこたつに頭をつけるくらいまで下げるのでした。屋根を下げない橋の下を通る時は、エコーが効くので船頭さんが歌を披露してくれたりもしました。

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船の上から眺める松江城も風情がありました。

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夕方になってきたので、ここでホテルにチェックインします。途中、少し体調を崩しそうだったので薬局によって薬を買いました。
 
今日のホテルは松江しんじ湖温泉です。大浴場はありませんが、部屋の蛇口から温泉が出てくるようになっていました。

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窓からは宍道湖が見えます。冬の山陰は天気が良くないので期待できませんが、季節によっては夕日が綺麗に見えそうです。

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部屋で一休みした後、お楽しみの居酒屋めぐりがスタート。松江には太田和彦さんオススメのお店が何軒もあったので今回は松江で2泊することにしました。1軒目に向かう途中、少しだけ夕焼けが見えました。

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目指すは宍道湖から続く大橋川の新大橋たもとの「やまいち」。

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いつもは1杯目はビールにするのですが、昼間に地ビールを飲んでいたのと、あまりにも外が寒かったので今日は1杯目から燗酒にしました。それと、目の前におでん舟が目に入ったので、おでんを幾つかいただきました。春菊はさっと浸して出してくれました。お銚子には賀茂鶴の名がありましたが、中のお酒は松江の地酒、豊の秋だそうです。

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宍道湖といえば、宍道湖七珍という名物があるのですが、ここで今日出せるのはしじみ汁だけのようです。それは後半にしたいので、次は赤貝の煮たのをいただきます。赤貝といえば宮城の閖上のを思い出しますが、ここでいう赤貝とはそれとは違いサルボウ貝のことだそうです。

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さらにもう一品何か頼もうとして目に留まったのが自家製蟹コロッケ。山陰の冬は蟹が美味しそうですが、昨日のお店でもメニューにはあったものの食べられなかったし、このお店でも蟹はあるそうですが一人では食べきれそうもなく頼みませんでした。そこでこの蟹コロッケを頼んでみました。

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何がきっかけだったか忘れましたが、カウンターのお隣に座った女子3人組との会話も弾み、楽しい時間を過ごすことができました。僕が明日出雲大社に行ってお昼も向こうでそばを食べたいと言ったら、旧大社駅近くにあるお勧めのそば屋さんを教えてくれました。

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太田和彦さんお勧めのもう1軒は近くにありましたがそこは閉まっているようでした。別の1軒は川の向こう側なので明日行くつもりです。どこに行こうか探していると、「松江の味 郷土料理」の看板の和風のお店がありました。こういうお店は気になって仕方がありません。この「川京」に入ってみることにしました。

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まずはお酒。松江の地酒「李白」をいただきます。朝ドラ「だんだん」では、「杜甫」という名前の地酒が出てきましたが、きっとこの「李白」がモデルだと思います。

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料理の方は、宍道湖七珍のうち今の時期に取れる四珍が食べられるとのこと。嬉しくなってその四珍を頼みました。
 
うなぎのタタキ

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おたすけしじみ

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赤天

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テナガエビからあげ

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スズキの奉書焼き

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奉書焼きは、松江の殿様に献上した料理だそうで、浜で漁師が食べていたところ殿様に食べたいと言われて、とっさに奉書(ほうしょ)という紙で包んでだしたことが由来とのこと。紙を開くとこんな感じになっていました。

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ちなみに宍道湖七珍とは、すずき、もろげえび、うなぎ、あまさぎ、しらうお、こい(鯉)、しじみで頭文字をとって「すもうあしこし」というそうです。赤天は七珍ではないようですが、松江の名物だそうです。
 
お酒も追加で、これもまた松江の地酒「国暉」をいただきます。

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しじみは最後はしじみ汁にしてもらいました。

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どんどん出てきたのでお腹がいっぱいになりました。
 
 
体調はまだそんなに良くないし、お腹いっぱいだし、ここでホテルに帰っても良かったのですが、すぐ近くに名バー「山小舎」があったので、入ってジントニックを一杯だけ飲みました。

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鳥取

7月に会社の勤続25年で報償休暇を行使しましたが、今年は10日間取得できて、7月は5日間使ったので残りの5日は年末年始に行使することにしました。
7月は海外に行ったので、今度は国内旅行かなと思い、まだ行ったことのない都道府県3つのうち、この機会に鳥取と島根に行ってみることにしました。
 
出発は茨城空港8時35分発神戸行きSKY183便。以前は鳥取までの便があった気がしますが今はないのでまずは神戸に飛びます。

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神戸に9時55分に着いてからポートライナーで三宮に移動、JRの三ノ宮駅11時42分発で第三セクター智頭(ちず)急行を経由する特急「スーパーはくと」に乗ります。長時間走る列車の途中駅から乗るので指定席を取ることも考えたのですが、「スーパーはくと」は前面が展望できる列車で先頭車両が自由席になっているので、自由席に乗りました。さすがに一番前の席は埋まっていましたが、比較的前の方の席に座ることができました。

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三ノ宮駅には駅弁がありませんでしたが、駅前のデパートで仕入れたお弁当を食べて旅気分を盛り上げます。

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山陽本線では貨物列車ともすれ違うのでこの迫力。よく見たら運転手さんは女性の方でした。

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三ノ宮から約2時間後の13時51分に鳥取駅に到着。

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まずは鳥取砂丘に行きます。鳥取砂丘へは鳥取駅からバスで約20分、370円です。
砂丘に着くと風が強く、時々雪になるような冷たい雨も降っています。砂丘は結構アップダウンがあり、ひいひい言いながら高いところに登ってみました。こんな天気に砂丘に来る人はあまりいないようで、寂寥感が漂い、異国にいる気分になってきます。
風紋は見られませんでしたが、この写真のような変わった砂の形を見ることができませんでした。

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1時間ほど滞在して鳥取駅前に戻ります。
ホテルにチェックインした後、夜の飲み歩きタイムの前に一風呂。鳥取は駅から歩いて行ける距離に温泉銭湯があるのです。
大人400円、やや塩味を感じる湯で冷えた体を温めます。

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さてここから飲み歩き開始、と思ったのですが、目をつけていたお店は灯りがついていません。鳥取の夜は遅い、という情報も耳にしたのですが、こちらは待ちきれません。代わりの店を探してぶらぶらしていると、「鳥取の旨い酒と魚」と書かれた看板が目に入りました。ホテルでもらったチラシにも載っていたお店「久兵衛」で、クーポン付きだったので入ってみました。

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クーポンだと飲み放題メニューから一品とのことでした。残念ながらビールはなくてクリアアサヒでしたが、ほかの飲み物よりはマシかと思いまずはクリアアサヒをいただきます。おつまみには鳥取名物三種盛を頼みました。これは、あごちくわ、らっきょ、とうふちくわの三種類で、ラッキョウはともかく、あごちくわやとうふちくわは普段目にしたことがないので喜んでいただきました。あごちくわは飛魚のちくわというのはわかりますが、とうふちくわって何?と思いお店の人に聞いてみましたが、名前の通りとうふの入ったちくわとのことで、普通のちくわに比べると柔らかいのが特徴だそうです。あごちくわが少し硬いちくわなので、対照的なちくわを味わうことができました。飲み物は2杯目で、瓶ビールにしました。生ビールだとアサヒですが、瓶ビールだとキリンラガーになりました。

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次の注文はもさえび。これも鳥取名産のようです。塩で焼いたものをいただきます。酒は鳥取の地酒ということで「福寿海」をお燗で。

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カウンターのほか、座敷席がいくつかあるお店で、座敷の方は地元の方らしき人たちが何組も訪れていました。カウンターの客は僕一人でしたが、実は最初からマスター夫妻のお子さんが一人で遊んでいました。お店に入るときに子どもがいますが大丈夫ですか?と聞かれてはいたのですが、子ども連れのお客さんがいるのかと思ったのですが、そうではなくてマスターのお子さんだったのでした。お店の従業員たちも親しく話しかけているのを見て、微笑ましく思っていましたが、その子はだんだん僕の席の方に寄ってきて僕に話しかけてきました。話し相手になってあげながら名前を聞くと、「こうちゃん、4歳」とのこと。仮面ライダーや最近テレビで見たお笑いタレントのものまねなどを披露してくれました。居心地が良くてこのままずっとお店にいたい気もしましたが、ほかのお店にも行ってみたいので名残惜しみながら会計をしました。せっかくなのでこうちゃんと一緒に写真を撮りましたが、お店を出ようとすると悲しそうな顔をするのが可愛かったです。文字通り家族的でいいお店でした。

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久兵衛」を出た後は、最初に行こうと思ったお店「しもむら」に行きました。

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今度はお店の灯りがついています。安心して中に入ると、店主が一人いるきりでほかのお客さんは誰もいませんでした。
ここでは、今日の昼間スーパーはくとで通った智頭のお酒「諏訪泉」と、剣先イカ刺身をいただきました。

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ここは吉田類さんの「酒場放浪記」でも取り上げられたお店で、カウンターに置かれた太田和彦さんの本にも太田さんのサインがありましたが、寡黙な店主との会話もなく、先ほどのお店で家族の温かな雰囲気を味わっていただけに一人で飲む酒は少し寂しかったです。とは言ってもこのお店が悪いわけではなく、単にタイミングの問題です。自分とお店の関係だけでなく、同席した人との雰囲気にもよるので、本当にタイミングとしか言いようがありません。それがまた居酒屋巡りの楽しさでもあります。

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さて気を取り直してもう一軒、先ほど出た久兵衛の目の前にあって、ギネスの看板が気になっていたお店「カナイチヤ」に入りました。

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ギネスをハーフパイントで飲みます。

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ここはスポーツバーでもあるらしく、壁にはサッカーのユニフォームなどが飾られていました。そういえばJ2リーグホーリーホックの試合で鳥取との対戦を見たことがあったかもしれません。後から来た団体のお客さんの漏れ聞こえてきた会話の中に、最近相撲界で話題のお店がここから近くにあるという話が聞こえてきました。
 
ギネスは地元でも飲めるので、せっかくなので鳥取らしく梨を使ったお酒のメニューがあったので頼んでみました。ちょっと寒いですが梨のスムージーです。

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ホテルに戻る途中、なんだかもう一軒冒険したくなりました。ホテルでもらってあった飲食店案内のパンフレットに載っているスナック系のお店の中から、今いるところに一番近いお店が1時間2000円からとあったので、そのくらいならいいかとちょっと勇気を出して入ってみると、果たして先客は誰もおらず、体格の良いママが一人でいました。とりあえず席に座り最初に料金の説明がありましたが、今日は年末年始料金で若干高くなっているとのこと。ここは勉強と思って了解し、ウイスキーの水割りを飲みました。ママと取り留めのない話をしていると、もう一人のお客さんが入ってきたので、どこかに電話してもう一人の女性がやってきましたが、これがまた先ほどのママと似た体格の子でした。2人に一杯ずつご馳走するとそれは別料金だったようで、会計は当初の思惑よりもだいぶ多くかかってしまいました。ただその分帰りにお土産をいただきました。カレンダーはともかく、ネックマフラーは実用的で早速翌日から使わせてもらいました。

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デイヴィッド シュリグリー「ルーズ ユア マインド―ようこそダークなせかいへ」

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水戸芸術館で、イギリスのアーティスト、デイヴィッド シュリグリーの展示を見てきました。
 

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入口や会場の中にこんな掲示がいくつもあるので、撮影はダメなのかと思いきや、実は作品の撮影は自由なのです。このことからもわかるように、イギリス人らしい皮肉たっぷりなユーモアに溢れた作品を楽しむことができました。

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アニメーション作品や、アーティストのインタビュー映像などもいくつかありましたが、どれも1分から3分程度の映像なので飽きずに見ることができました。何十分もある映像を見るのは苦手なのです。
 
インタビュー映像の中で、彼の作品はblurの2003年の「good song」という曲のMVに使われているとか、映画「トレインスポッティング」で演技したのだけど撮影したシーンはボツになったとか、なかなか興味のある話も聞けました。
 
2017年10月14日[土]から2018年1月21日[日]まで
 

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