水戸芸術館は、「人間の未来へ ダークサイドからの逃走」というタイトルで、写真と映像を中心に、インスタレーションや詩などを展示したもの。有名な作家としてはオノヨーコなんかもいたけど、印象に残ったのはアメリカのマイケルライトという人の、アメリカの原水爆実験の記録写真を並べたもの、そして橋本公という作家の、1945年から1998年までの、世界中で行われた原水爆実験の時期と場所を1ヶ月を1秒の単位として世界地図の上に示すビデオ作品。写真や映像作品として単純に見れば美しさを感じるのは否定できないけど、その意味を感じたら恐ろしくなってしまいます。だけど後半の展示にあった長倉洋海の、紛争や貧困の激しい地域で撮った写真に写る子供たちの笑顔に救われた気持ちがしました。
http://www.arttowermito.or.jp/atm-j.html
近代美術館の方は、珍しく現代美術系統の作家の作品だったので、久しぶりに訪れることにしてみたものです。どちらかというと伝統的な作品の展示が多い美術館だけに、ちょっと意外な感じでした。でもこの美術館のロケーションは素晴らしいのです。千波湖のほとりの緑の多い地域に溶け込んだ建物や、前庭の芝生の前に広がる千波湖とその向こうに見える水戸の街並み。今日は小雨のぱらつく天気でしたがそれもまた落ち着いた感じで悪くありません。もちろん青い空に緑の芝という組み合わせも最高です。展示の方は、「メディアアートの先駆者 山口勝弘展」というタイトル。初めて耳にする作家の名前でしたが、1928年生まれで1950年代の頃からテクノロジーを駆使したアートを発表してきたというから相当前衛的な作家のようです。オノヨーコともかかわりがあったみたい。
http://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/