星と海の芸術祭

日立市の大みか地区で新しく始まった地域芸術祭「星と海の芸術祭」に行ってきました。

会場はいくつかに分散しているようですが、常磐線大甕(おおみか)駅西口が会場の一つになっているのでまずは大甕駅で降ります。2018年に駅が新しくなってから初めて降りましたが、昔は日立電鉄線のホームがあった場所に西口も新設されました。

 

まずは受付で作品鑑賞券1,000円を購入します。

 

崖になっているところには鷹取詩穏さんの「海のあしあと」

 

崖の上に上がる階段も作品の一つのようで、おおみかアートプロジェクトの「だんだん海、だんだん星」

 

奈緒子さんの「あーみか、うーみか」

奥に見えるのが茨城キリスト教学園。昔は大甕駅からこの学校に行くのには東口で降りて遠回りしていたのが、西口ができたことですぐに学校に行くことができるようになりました。

 

浅野ひかりさんの「あの日見た景色」

 

深田拓哉さんの「Catapult making an island!」

 

関田重太郎さんの「Z軸の地切り」

住宅の大黒柱とその周囲を切り取ったものが展示されていますが、切り取られた住宅の方も芸術祭会場になっているとのことで後で見るのが楽しみです。

 

受付の脇にあったのは東弘一郎さんの「無限車輪」

高いところに設置された自転車のペダルを漕ぐと縦7個、横8個の全部で56個の車輪が連動して回るのが見ていて楽しいです。東さんはこの芸術祭の総合ディレクターも務めているそうです。

 

さて、他の会場は、水木エリアと久慈浜エリアに分散しています。歩いていけないこともなさそうとも思いましたが、この暑い中、全部を歩いて回るのは大変かも、ということでこの芸術祭用に用意されたレンタサイクルで回ることにしました。料金は1日300円でした。それから、ガイドブックも購入しました。

 

自転車を漕いで次に行ったのは、泉神社近くの水木交流センター。

こちらに展示されていたのは東弘一郎さんの「自連車」。先程の「無限車輪」を1列にしたようなものでした。

 

次は水木の家。作品鑑賞券に載っている作品マップはとても大雑把な地図なので、載っている住所を目安に海の方に向かっていくと、芸術祭の案内板と旗が立っていたので会場がわかりました。

こちらに展示されていたのは石ころ甚五郎さんの「石ころ甚五郎のアップサイクルアート」。

地元在住の石ころアート作家さんの作品とのことです。

 

水木海水浴場周辺にあったのは、大甕駅西口にも展示していた林奈緒子さんの「あーみか、うーみか」。同名の別作品でした。

 

すぐ近くが水木海水浴場だったのでちょっと覗いてみましたが、とても小さな海水浴場でした。

 

日立の海岸沿いはとてもアップダウンが激しくて自転車で走るのも一苦労でしたが、国道245号線を経由して行ったのがサトウヤス住宅の関田重太郎さんの「Z軸の地切り」。

大甕駅西口で見た作品の本体部分です。

この会場にちょうど作家の関田さんがいたので少し話を聞かせてもらいました。実際の住宅を切り取った作品ということで以前水戸で見た持田敦子さんの「T家の転回」を思い出す、と行ったら関田さんもやはりあの作品のことはご存知のようでした。あちらは水平方向に回転し、こちらは垂直方向に切り出した、というものでしたが、どちらも普段は目にすることがない柱や壁の断面が見られて、とても興味深い作品でした。ちなみに今日は午後から天気が崩れそう、とのことでもし雨が降りそうだったら開いている屋根にシートをかける、とのことでした。

 

次は大甕駅から海に向かって通る道路沿いにある島田歯科医院にある東弘一郎さん、牛嶋均さん、pgtによる「てるてる坊主と空を漕ぐ」。東さんの他の作品と同じように自転車のペダルを漕ぐと連動して後ろのものが動くのですが、こちらにあるのは歯医者さんということで歯科医院の看板が回転するものでした。

ちなみに手前にあるのが今回借りた自転車です。

 

そこからは古房地公園にある日立灯台を経由して、久慈浜海水浴場へ。

ここにあるのは原倫太郎さん、原游さんの「ピンポンビーチ」。3人でやる卓球台でした。

せっかくなので会場にいたスタッフと少し遊んでみました。卓球をやるのは何十年ぶりかでしたが、3人でやったら面白そう、と思いました。

 

海水浴場のすぐ近くにある久慈浜漁港には3つの作品がありました。

深田拓哉さんの「忘れられたものたちに」は大きな飛び出し坊や。

 

奈緒子さんの「あーみか、うーみか」はこちらにも展示されていました。

 

そして加藤健一さんの「海へ行く。色と形も持っていこう。」は釣り船にペイントを施した作品でした。実際に釣り船としても使われている船なので沖に出ている時は見られないものですが、ちょうど停泊している時だったのでよかったです。

 

これで大体の作品は見たので大甕駅に戻りましたが、途中でぽつぽつと雨が降ってきました。雨が降る前に回り終えることができたのはラッキーでした。

大甕駅西口で自転車を返した後、遅くなったお昼ご飯を食べにBRTに乗っておさかなセンターに向かいました。このBRTは廃線になった日立電鉄の線路跡を一部利用したもので、今まで機会がなく乗ったことがなかったので、今日初めて乗ってみました。

 

おさかなセンターも、近くを車で通ったことがあるものの実際に行ったのは今日が初めて。名物となっている、自分で具材を選んで作ることができる海鮮丼、「味勝手丼」を食べてみました。電車&バス(BRT)で来たので瓶ビールもつけちゃいます。

ちなみに具材8点に酢飯中盛りで合計2250円でした。具材のうち1点はビールのつまみ用で丼には載せませんでしたが、一つ一つの具材が小さいからといってついついたくさん選んでしまうとそれなりの値段になってしまいます。おさかなセンター内の別のお店でも海鮮丼があり、単純に値段だけで比べるとそちらより高くなってしまいましたが、一種のアトラクションと思えば納得です。

 

その後、再びBRTで大甕駅に戻り、駅東口に回って老舗菓子店、運平堂の2・3階でおおみかアートプロジェクトの「アーカイブ展」を見て全ての会場に行くことができました。

ここは作品制作中や、縁のあるモノたちの写真が展示されていました。

 

せっかく運平堂に来たので、名物の大みかまんじゅうを買い、食後のデザートとしました。

 

この後、滅多に来ない大甕駅周辺で飲もうかと思いましたが、お店の開店時間にはまだ早すぎたので、ここで飲むのは断念して、勝田駅に行き、馴染みのお店に行きました。

 

地域アートという点ではほぼ同じ時期に開催される那珂湊のみなとメディアミュージアムと似たような雰囲気がありましたが、作品制作にはアーティストたちが地元の工務店や町工場と協力している、という点では工業都市日立らしさを感じることができました。また今回は参加しませんでしたが、近くの神社や移籍などをめぐるまちなかツアーなどは面白そうでした。毎年恒例になるかはよくわかりませんが、またこれからも続いてほしいと思いました。

 

なお、会期は8月11日から8月28日までです。

 

hitachi-omika.com