ぶらぶら千葉旅 1日目

連休中の予定は特になかったのですが、なんとなく千葉方面に行ってみようかな、と前の日に思い立ちました。
銚子電鉄とかいすみ鉄道とかのローカル線に乗ったり、時間があったら房総半島を1周してみたりしようかな、という大体の予定だけ立てて、とりあえず水戸駅から大洗鹿島線に乗ります。

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終点の鹿島神宮で一度降りて、銚子までのきっぷを買います。鹿島線は自動改札になっておらずSUICAは使えません。有人の改札口が懐かしい雰囲気でした。

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香取で乗り換えて着いた銚子では、ホームの先の方にある銚子電鉄乗り場に向かいます。

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なんだかたくさんの人がいます。係員さんから終点の外川までの往復割引乗車券を買いました。銚子から外川までの片道運賃は340円ですが、往復割引乗車券だと600円でした。今日は終点まで行って帰ってくるだけのつもりなので買いませんでしたが、他にも1日乗車券などもありました。
それにしてもこの電車はえらい混雑で、2両編成でしたがラッシュ時並みの乗車率でした。ローカル線でのんびりと行こう、と思っていたのですが、全然イメージと違いました。

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銚子電鉄に乗ったのは約30年ぶりくらいです。当時は確かクリーム色と紅色の電車が走っていましたが、今は緑色の電車でした。なのであまり懐かしいとは思わなかったのですが、終点の外川駅はきっとそれほど変わっていないと思います。30年前当時の写真が出てきましたので載せてみたいと思います。
 

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これは今日の外川駅

 

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そしてこれが約30年前の外川駅

 
 
当時はNHK連続テレビ小説澪つくし」を放送していた頃で僕もよく見ていました。当時の案内板は位置が変わりましたが、健在でした。

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時間的にお昼を過ぎていたので、この辺りで昼食をと思いましたが、お店に入って食べるほどしっかりした食事でなくてもいいかな、と思ったので何か買って外で食べようと思いました。ちょうど魚屋さんで手作りのさんま煮がパックに入って売っていたので、近くの雑貨屋さんでおにぎり1つと共に買ってきました。天気もいいので港に行って漁船や釣りをする人たちを見ながら食べました。ビールでもあればもっと最高だったのですが、酒屋さんが見当たらなかったので、お茶をお供にしました。さんまは意外と量があって、全部食べたらお腹いっぱいになってしまいました。

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銚子行きの電車も満員でした。あとで聞こえてきた話によると、ちょうど団体さんが乗っていたみたいで、銚子で降りた後の折り返しにはなるほどそんなに乗っていませんでした。ちなみにこの電車に、若い今時のギャル風の女性の車掌さんがいました。あとで調べてみるとやっぱり話題になっている方みたいでした。
 
銚子からはSUICAを使って南下していきます。総武本線、という立派な名が付いていますが、このあたりは単線で車窓ものどかな風景が広がっています。成東で東金線に乗り換え、大網で外房線に乗り換えます。こういう鈍行乗り継ぎ旅は青春18きっぷを使っていくものなのでしょうが、期間中に5回使い切る自信がないのと、急に思いついた旅行なのでやむを得ません。でもSUICAなので行き先を決めなくても電車に乗れるのは助かります。ただし途中下車ができないのは残念です。
 
いすみ鉄道の乗り換え駅である大原には17時39分に到着しました。もう夕方なのでこの辺りで泊まってみようかなとも思いましたが、駅の中から見た駅近くの街の雰囲気ではあまり泊まるところがなさそうです。もう少し先の勝浦まで行くことにしました。
 
勝浦到着は18時22分です。あたりが少し暗くなり始めました。今日は行き先を決めずに来たので当然宿の予約もしていません。宿の予約サイトでは空き部屋がありませんでした。こうなったら、街を歩いて宿を見つけたら飛び込みで聞いてみるしかありません。
 
街の方向に歩いて、道路によくある広告地図に旅館の名前があるのを発見し行ってみると、そこは国の有形文化財にもなっているという趣のある和風旅館でした。こんなところに泊まれたらいいなあと思いながら、扉を開けて空室があるか聞いてみると、今日は満室とのこと。仕方なく次の宿を探します。だんだん住宅ばかりになってきたところで一度は引き返したのですが、先ほど見た広告地図にもう1軒旅館があったのを思い出し、場所を確認してもう一度行ってみます。
 
先ほど引き返したところからちょっと先にその宿はありました。でも扉を開けて声をかけても誰も出てきません。あれれ、と思いつつ外に出て、駄目元で旅館の目の前の道路から電話してみると今度は出てくれました。今日これから泊まりたいことを伝えると、空いているとのこと。電話を切ってすぐに扉を開けると、おばちゃん(おばあちゃん?)が出てくれて、すぐに部屋に案内してくれました。昔ながらの和室で部屋にはすでに布団が敷いてありました。お風呂もすぐに入れる、と言われましたが、これから飲みに出かけるので後にします。門限があるか気になりましたが、いつでも空いてますよとの返事。そういえば料金も聞かずに入ってしまいましたが、素泊まりで4,500円でした。
 
 
泊まるところが決まれば一安心。後はいつもの過ごし方です。実は勝浦には居酒屋評論家の太田和彦さんによる居酒屋ガイドブックに載っているお店が1軒あるのでした。実を言うとそれが勝浦で泊まることに決めた理由の一つでもあったのですが、連休中はお店が営業しているか心配していました。でも宿を探している途中でお店の場所と灯りがついていることを確認済みでした。
 
ところがいざお店に着いてみると、灯りはついているものの入り口ののれんが外に出ていませんでした。これはもしかして貸切なのかな、と心配になり電話してみようかと思っていたところ、別の1組のお客さんが扉を開けてお店の人に入れるかどうか聞いてから入って行きました。そこで僕も同じく聞いてみると、料理に時間がかかるがそれでもよいかとのこと。もちろん構いません、ということでカウンターを1席用意してくれました。
 
なにはともあれビールです。生だとアサヒ、瓶だとキリンとアサヒ、とのことなのでキリンの瓶ビールを注文します。料理はとりあえず注文せず、しばらくはお通しをつまみます。後から来たお客さんの料理が来だした頃におもむろに注文します。
 
勝浦は漁港の街、なので当然刺身なのですが、盛り合わせにはせずあえて単品で、メダイとサザエの刺身、それと勝浦の名物料理であるなめろうを注文しました。
 
しばらく待つと注文した料理が届きます。盛り合わせだと1品2〜3切れのようでしたが、単品だとたくさん出てきますので、食べ応えがありました。酒はすでにビールから日本酒に切り替えています。勝浦の地酒、腰古井という銘柄だそうです。甘口、辛口と種類があるようですが、辛口をお燗で頼みました。

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それにしてもこのお店はだいぶ繁盛している様子で、奥の方のお座敷も賑わっています。調理するマスターもバタバタしています。後から来たお客さんには席がないと断ってたりもしました。座った席がちょうどマスターと店員さんが会話する場所らしくつい本音が口に出るのが聞こえたりして、若干居心地の悪さを感じたのでこの辺でお会計としました。
 
さて、少し飲み足りないのでもう1軒、あたりを少し歩いてみましたが、どこも夜は早そうです。先ほどの店と似たような和風のお店ですが、他にあまり選択肢はなさそうなので入ってみることにしました。ラストオーダーに近い時間とのことですが、まずはお酒です。勝浦のもう一つの地酒だという東灘を、今度は冷たくしたのでいただきます。

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料理の方は、遅い時間なのでなにが出せるか聞くと、食べたいものを言ってというのでメニューから選んでみると、今日は終わったとのこと。だから出せるのを聞いているのにそれでは別のを、というとそれもないとのこと。そういうのを3、4回繰り返して最終的に注文したのは、まご茶という漁師のお茶漬けです。解説によると、あじ、かつお、とびをねぎ、みそ、しょうがでよくたたきまぜたものを飯の上に乗せ、だし汁をかけて食す、とのことです。さらさらっとおいしくいただきました。

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勝浦の夜はまだまだ続きます。正面がガラス張りになっているバーを見つけたので入ってみました。

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途中で思い出しましたが、そういえばこのお店は太田和彦さんの番組でも紹介されていたお店でした。ジントニック、グレンリベットと定番の酒を飲んだ後、せっかくのカクテルバーに来たので、勝浦が初めてなのでこれぞ勝浦というカクテルを、とマスターに注文したら、太田和彦さんも飲んだカクテルを作ってくれました。地酒の腰古井をベースにしたもので、グラスの縁に塩が乗っています。この塩が海を感じさせてくれました。

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今日の最初に入った2軒は、悪くない店なのでしょうが、やはり連休中の多忙な時期に行ってしまったためちょっと印象がよくありませんでした。ただし味そのものはとてもよかったので、次に来る機会があったらもう少し静かな時期に来たいものです。